研究課題/領域番号 |
16320111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
松村 恵司 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 考古第一研究室長 (20113433)
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研究分担者 |
栄原 永遠男 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (80102979)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,220千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 1,020千円)
2007年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2006年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 富本銭 / 和同開珎 / 無文銀銭 / 銀 / 初期貨幣史 / 社会経済史 / 考古学 / 経済史 / 貨幣史 / 古和同 / 富木銭 |
研究概要 |
本研究は、富本銭と和同開珎の系譜的関係を明らかにし、わが国の初期貨幣史を再構築することを目的としたものである。4ヶ年にわたる研究成果は以下のようになる。 1.初期貨幣研究に関する文献の収集と閲覧を基に、初期貨幣研究の学史的整理をおこない、最古の貨幣をめぐる認識の変遷や通説の形成過程を明らかにし、その成果を「日本初期貨幣研究史略」にまとめた。 2.古和同銅銭の種銭の製作方法を明らかにし、鋳造実験を通して合理的・効率的な製作技術であることを確認した。これにより全国流通を目指した和同開珎の発行時に、諸国の国衙工房に中央で製作した種銭を供給し、大量生産体制を構築した可能性が浮上した。 3.初期貨幣の全国出土集成では、和同開珎775遺跡6358点、富本銭11遺跡、無文銀銭17遺跡を集成して分布図を作成し、無文銀銭から富本銭、さらに和同開珎へと出土分布域が拡大することを確認し、初期貨幣の流通実態を把握するための基礎資料を作成した。 4.和同開珎の読みと、銭文の出典に関する既往の研究を整理し、発行当時の読みが「ワドウカイチン」であること、和同開珎が「天下和同して地珎を開く」という意味をもち、和銅献上を慶祝した改元の詔と同意の銭文であるという新知見を得た。また開元通寳と同じ班固の『東都賦』を出典とし、富本銭の七曜文と和同の銭文が同意であることを明らかにした。 5.新種の富本銭を確認し、成分分析や出土遺構の年代の検討を通して、持統朝の鋳銭司で製作された可能性を明らかにした。 6.平成17年度に研究集会「和同開珎をめぐる史的検討I」、平成19年度に研究集会「和同開珎をめぐる史的検討II」を開催し、その研究成果を『和同開珎をめぐる諸問題(一)』『同(二)』として刊行し、また初期貨幣研究の基礎資料として『日本初期貨幣研究文献目録(稿)』を刊行した。
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