配分額 *注記 |
16,590千円 (直接経費: 15,900千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
近年,アマルティア・センのリーダーシップのもとに,厚生経済学と関連する領域は,社会正義を真剣に扱うための規範的枠組と方法を大きく発展させてきた.本研究の目的は,アマルティア・センの「経済と哲学」,とりわけ彼のケイパビリティ・アプローチを中心とする厚生経済学と社会的選択理論をより統一的な理論として整合化すること,また,そこで得られた理論をもとに,人間の尊厳・権利・福祉などの諸観念とそれらを支える制度のあり様を理論的・実践的に問い返すこと、さらには,正義に適った経済システムと法政治システムを構想することにあった。 本研究の第一の成果は,2005年の国際コンファレンスである.そこでは,センのほか,世界各地で活躍中の規範経済学者・政治哲学者、法哲学者等を招聘し、法と経済のあり方を規範的に問い返す公共的討議の場を創出した.その内容は,2009年秋,Gotoh R. and P. Dumouchel(eds.) Against Injustice-The New Economics of Amartya Sen, Cambridge University Press(邦訳は晃洋書房)として刊行される予定である. 本研究のもうひとつの主要な成果は,2008年12月に刊行された,アマルティア・センと後藤玲子の共著『福祉と正義』(東京大学出版会)である. これら2冊の本をはじめとし,本研究で探究されたことは,新しい経済学の理論と方法をもってよりよき福祉保障制度を構想することであった.
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