研究課題/領域番号 |
16330105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
宇都宮 京子 東洋大学, 社会学部, 教授 (90266990)
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研究分担者 |
稲木 哲郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (90011361)
北條 英勝 武蔵野大学, 現代社会学部, 助教授 (20308042)
佐藤 壮広 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (90385964)
横山 寿世理 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (00408981)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 呪術 / 沖縄の民間巫者 / 合理性 / 伝統 / 占い / 世俗化 / 近代性 / 宗教 / 呪術的なるもの / 非合理性 / 行事慣行 / 祈願 / 易占 / 禁忌 / 超人知現象 / 宗教感情 / 生活意識 / 科学性 / ユタ / 合理化 / 生活者 / 医療 / 沖縄 / 社会(生活)意識 |
研究概要 |
本研究の目的は、「初詣をする」、「豆まきをする」など無宗教を自認する日本人によっても行われ、伝統的な宗教や慣習との関連で説明されてきた多くの行為を、「呪術」的要素と関係づけて説明するということであった。その際、この「呪術」的要素を前近代の残滓として扱うのではなく、「近代的思惟や近代諸学の視点(「世俗化」論や「呪術からの解放」論)においては看過されてきた諸問題を可視化させる装置」として位置づけたところに本研究の特徴がある。 具体的手順としては、まず平成16年度は、沖縄において、民間巫者のユタの存在に注目しながら現代社会になお残っている呪術的要素の実態を主にインタビュー調査を通して確認した。次に平成17年度は、その結果得られた視点を生かしつつ、「呪術的なるもの」という概念を作成し、東京都23区在住者を対象に社会意識調査を行った(1200票配布、回収調査票数724票、回収率60.3%(サンプル数比))。平成18年度は、過去2年間の研究成果や調査データの理論的かつ実証的に分析・検討した。 その結果、東京都23区調査の結果として以下のような諸見解を得た。まず、呪術的なものに親和性を示す人々は、伝統的なものを守るという保守的な面も持ち合わせるが、ただ因習に従って堪え忍ぶといった消極的で受け身的な傾向は弱く、むしろ、幸せと身の安全のためにはあらゆる知識や方法を活用する傾向が強い。また、「高齢者の方により呪術否定的な傾向が見られがちである」、「現状に満足している人ほど呪術肯定的である」、「男性よりも女性の方が呪術肯定的である」など、呪術的なものをめぐる人々の態度には、従来の人間観では説明できない一定の特徴があることが分かった。以上、このような諸傾向を説明するには、科学的=合理的=脱呪術的=自立した近代的人間という従来からの図式を超える新しい図式が必要であることが確認された。
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