研究課題/領域番号 |
16330123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会福祉学
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
杉崎 千洋 島根大学, 法文学部, 教授 (60314613)
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研究分担者 |
小野 達也 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (30320419)
金子 努 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (70316131)
児島 美都子 東京福祉大学, 大学院・社会福祉学研究科, 教授 (50295945)
前田 美也子 武庫川女子大学, 文学部, 助教授 (50309027)
中村 明美 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (20390180)
太田 節子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00152140)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 急性期病院〜施設・在宅 / 連携 / 中間ケア / イギリス(イングランド) / 退院遅延 / 「切れ目」のない / アウトカム / ソーシャルワーカー / 医療と社会ケア・社会サービス / 統合・連携 / イングランド / ケアトラスト / ソーシャルクオリティ / イギリス / 早期退院援助 / 高齢者 / 社会サービス / 地域連携 / 退院援助システム / NHS / 社会ケア / ソーシャルワーク / ケアマネジメント / 退院計画 |
研究概要 |
1 わが国では、1つの急性期病院を核として、複数の慢性期病院との連携を構築する例が多いが、少数ながら複数の急性期病院を含む連携事例がある。いずれにおいても、病院および施設、在宅間の連携は前進した。しかし、ともに核となる機関などのリーダーシップ(メゾレベルのマネジメント)に負うところが大である。そうした機関のない地域との連携の格差は依然として大きい。 2 一方、イギリス(イングランド)では、中間ケアを政策化し、これらにより急性期病院と施設・在宅との間のサービスの「切れ目」を小さくし、入院待機や退院遅延を減少させようとしてきた。中間ケアが最初に提案されたのは、NHSプラン(2000年)、具体化されたのは「全国高齢者のためのサービスの枠組み」(2001年)である。 3 レセスター大学などによる中間ケア評価研究によると、中間ケアのサービスモデルの中で最も多く活用されているのはDedicated IC Bedsである。施設入所への高いニーズがあり、入所・通所・在宅ケアの組み合わせによる混合型、マルチ対応型の12のサービスモデルがある。中間ケアの強みは、利用者、スタッフなどの満足度の高さであり、弱点は、力量、全体システムの運用、サービス開発と供給問題、である。リーズ大学の中間ケア評価研究報告書は、中間ケアの成果の評価の難しさを指摘している。例えば、早期退院が実現しても、その結果が退院した本人の生活、さらには人生にとってどういう意味があるかは別の問題であるからである。 4 ソーシャルワーカーは、中間ケアに係わる多専門職種の一員として、シングルアセスメントや、ネットワーク活動、チームワークに参加している。ニゲル・ホーナーらは、こうした働きを「ソーシャルサービスの近代化」に応える「新しいチャレンジである」と述べている。 5 中間ケア以外にも、退院遅延への罰金支払い制度、ケアマネジメント、緩和ケアなどのサービスが連携し、全システムアプローチにより入院待機、退院遅延に対応することが課題となっている。 6 総じて、中間ケアは、前記の問題はあるものの、急性期病院と施設・在宅間の連携を促進し、入院待機、退院遅延を減少させるには有効な政策である。わが国において、医療と社会福祉・介護の連携を促進させるには、政策的対応(マクロマネジメント)が不可欠であることが示唆された。
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