研究課題/領域番号 |
16330129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
鄭 仁豪 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (80265529)
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研究分担者 |
四日市 章 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (20230823)
中山 哲志 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (80327262)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 聴覚障害児 / 視覚的イメージ情報 / 眼球運動 / 視点 / 文章理解 / 認知方略 / 注視点 / 物語理解 / 感情理解 / 記憶課題 / 記憶方略 / 再生 / 算数文章題 / 図形参照率 / 情報処理法略 / 視覚的情報 |
研究概要 |
一般に聴覚障害児は、聴覚情報の受容に制約を有しており、このような制約を補うための手段として、視覚情報を活用している。これまで、聾教育では視覚的情報活用の有効性は認められているものの、どのように活用しているかに関しては明らかではない。本研究では、音声言語を主なコミュニケ-ション手段とする先天性重度聴覚障害児の視覚的イメージ情報の活用とその方略を、同等の言語力を有する健聴児との比較を通して明らかにするために、課題処理時の認知的働きがリアルタイム確認できる眼球運動を調べる方法を用いて、次の3つの実験を行った。眼球運動は、非接触型眼球運動装置Talk Eyevyコ(竹井機器工業株式会社)を用いた。 第1研究では、算数文章題における文字と図形の活用を調べた。その結果、聴覚障害児は、同程度の理解度を示す健聴児に比べて、文章題を小さいスパンで読んでおり、しかも反復が多いこと、図形参照では、参照回数が多いこと、難易度が増すにつれ、このような傾向は顕著であることが確認できた。 第2研究では、視覚的イメージ情報の記憶の特徴が調べられた。その結果、健聴児と異なる高学年では、音韻的符号化より視覚的符号化の方略を多く用いること、イメージの記憶においては比較的短い平均注視時間を使い記憶しており、意味的カテゴリーを積極的に活用していることが検証された。 第3研究では、絵物語読み時の視点の変化が分析された。その結果、一般的な発達傾向として、学年の上昇に伴う注視点の減少や平均注視時間の増加が見られたが、健聴児と異なり、物語の展開により、視点の変化が激しいことが検証ざれた。すなわち、高学年になればなるほど、展開部と結末部に注視が増えること、特定の場面に長く注視する傾向があることが確認できた。 全般的に、視覚的イメージ情報の活用において、聴覚障害児は健聴児と同様の発達傾向は示すものの、視覚的イメージ情報をより積極的に活用する健聴児とは異なる方略を用いることが明らかになった。
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