研究課題/領域番号 |
16330152
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高見 茂 京都大学, 大学院教育学研究科, 教授 (60206878)
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研究分担者 |
金子 勉 京都大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (40263743)
小松 郁夫 京都大学, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 企業の社会的責任(CSR) / 社会責任投資(SRI) / PFI / 格付け / プロジェクト・ファイナンス / スクール・ファンド / ミニ公募債 / 寄付 / 債券発行 / 地方教育費 / 受益者負担 / スクールファンド / 地域教育ファンド / CSR・SRI / EMO / CSR / SRI / コネクションズ / シェアードサービス / 市民資金 / 社会的貢献 / 財務格付け / 証券化 / 財務構造 / 学債 |
研究概要 |
平成16年度には企業CSRとしての教育支援に対する考え方について、1000社対象にアンケート調査を実施した。しかしわが国の現状にあっては、企業CSRと投資家の社会責任投資(SRI)との好循環による間接的ではあるがマイルドな方法での教育財源調達の可能性は、まだ低い状況が明らかになった。また英国の高等教育機関の施設整備にPFIを適用し、民間金融機関の投入資金債権を証券化しリスク分散する手法についても調査研究を進めた。これについては、大学の財務内容を中心とした格付が重要な手続きとして関わることも判明した。また格付取得によって、当該教育機関にとっては有利な財源調達機会-たとえば銀行借入よりも有利な条件での債券発行が可能となった事例も見られた。米国においては、民間資金活用手法としての寄付の充実に力点を置いている。高等教育機関にあってはその調達・運用のための専門的組織を設置し、資産運用による取得果実による自立的教育財源の確保を図っている。また初等・中等教育にあっては、スクール・ファンド等、学校の自主財源獲得のための仕組みについても調査し、米国においては様々な規模・タイプのもののあることが分かった。EMO等の教育系企業による教育サービスの提供によるコスト抑制に伴う経費節減効果等についても検討した。 地方自治体は、長期債務残高の抑制圧力や地方債引き受け主体としての国営金融の縮小といった厳しい財政環境に置かれている。こうした中、PFI導入による民間資金活用による事業推進や、住民参加型ミニ公募債の発行等を通じて民間資金を教育財源として調達する手法も導入された。PFIは、英国においては教育用コンピュータ・ネットワークや図書館の整備事業等に、わが国においては図書館整備、学校の冷房化事業等に適用されている。またミニ公募債は学校改築、新校舎整備に導入され始めている。PFIによる民間資金の導入は、短期的には自治体の資金繰りを楽にするが、中長期的には却ってコストが高くなる傾向にあることも判明した。現状では、ミニ公募債も教育支援のための民間資金というよりは、有利な投資対象としての位置づけが強い。また地方自治体は、教育施設整備のための新しい財務戦略に関心は持ちつつも、増税等の住民負担増にはやや消極的な姿勢も観察された。
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