研究分担者 |
西森 敏之 北海道大学, 高等教育機能開発教育センター, 教授 (50004487)
根上 生也 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40164652)
黒木 哲徳 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90022681)
三宅 正武 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
杉田 公生 東海大学, 理学部, 教授 (60056083)
鈴木 浩志 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (70235993)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2006年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
本研究は,大学初年次数学教育を,近年の学力低下,学習指導要領の内容削減に対応する形で改善する目的を持って行われた。したがって,理論的な事柄と並んで,実際的研究が大きな部分を占める。 一方理系初年次教育は従来から専門学部教育の基礎教育を担う役目を持っていることから,本研究は初等中等教育と学部専門教育両者との接続をも視野に入れるものとなった。これらの研究は,前期日本学術会議数学教育小委員会との連携の下に行われ,前者に関しては,すでに始まっている新たな学習指導要領改訂への提言を行った。後者に関しては,工学系を主とした,学部専門での数学の実際の応用例を集めて,データベース化への手がかりを作った。 初年次数学教育そのものの改善のためには,担当数学系部局のネットワーク組織を作り,情報交換とアンケート調査,学力調査などを行った。この組織は今後も継続させたい。1アンケート調査では,学力低下が深刻である私立工学系での対応の早さが目立つが,まだ全国の大学には十分波及しておらず,コア・カリキュラムなどの基本用語もについても,本アンケート自身が一種の普及効果を持った。 数学の場合,数学教員養成系大学・学部カリキュラムにも大きな問題であることがアンケート調査で判明した。この問題解決に向けての実践の一つとして,研究代表者は所属組織で現場教員と教員志望大学院生とが共通の場で数学および数学教育について学び議論できる場としてのセミナーを立ち上げ,活動を続けている。 本研究はこのように,深刻化する学生の状況変化の中で改善を行おうとするもので,即効的結果は望めないが,問題点を明らかにし,解決に向けて数歩を踏み出したという成果は上げ得たと信じる。
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