研究課題/領域番号 |
16340031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平良 和昭 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90016163)
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研究分担者 |
若林 誠一郎 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (10015894)
木下 保 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (90301077)
宮地 晶彦 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60107696)
八木 厚志 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (70116119)
梅津 健一郎 前橋工科大学, 工学部, 助教授 (00295453)
磯崎 洋 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50118535)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 数理生態学 / 工学 / 逆問題 / 非線型境界値問題 / 特異積分作用素 / 拡散過程 / 変分法 / マルコフ過程 / フェラー半群 / 非線形境界値問題 |
研究概要 |
当該研究期間の研究成果は、主に、以下の研究実績に要約される: (1)確率論における「マルコフ過程の境界値問題」を関数解析学における「フェラー半群の構成問題」として捉えて、詳しく考察した。特に、1950年代にカルデロンとジグムントによって創始された、古典的なポテンシャル論の一般化である特異積分作用素の理論を広汎に援用して、不連続な係数を持つ、斜交微分境界条件を含むヴェンツェル境界条件の場合について研究した。この研究成果は、「不連続係数を持つフェラー半群の存在についてII」と題して、中国科学院の数学年報に発表される予定である。また、中央大学理工学部に於ける2006年度日本数学会年会函数解析学分科会にて、「特異積分作用素とフェラー半群」と題して、特別講演を行った。 さらに、これらの研究成果は、「特異積分と拡散過程」と題して、650頁余りの英文著書にまとめられ、現在、ケンブリッジ大学出版会と交沙中である。この著書は、本研究課題の骨格となる研究成果である。 (2)本研究課題の研究の過程において、。古典的な変分法と組み合わせることで極めて強力な武器を提供し、個々の間題を、ディリクレ境界条件及びロバン境界条件を含む退化型混合境界値間題として統一的に取り扱うことができる方法を見出した。特に、変分法を適用するに当たっての本質的な着眼点は、藤田宏・加藤敏夫に依る解析的半群の分数巾を考える点にある。この着想は、非線型楕円型境界値問題がディリクレ境界条件の場合には何故解けるのか、を詳細に検討している中で得ることができた。これらの研究成果は、「不定符号関数を重みに持つ退化楕円型境界値問題」及び「半線型退化楕円型境界値問題の多重解」と題して英文の論文にまとめられ、欧米の学術雑誌に投稿中である。 本研究成果は、今後、不連続係数を持つ非線型問題において、さらに大きな進展が期待される出発点である。
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