研究分担者 |
小沢 登高 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (60323466)
泉 正己 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80232362)
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
日合 文雄 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30092571)
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20186612)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
作用素環の局所共形ネットのエントロピーを研究した.それは「熱核半群」のトレースの対数をとったものの展開係数として定義される.この量は,多様体のラプラシアンの固有値の分布を調べることの類似として,「無限自由度の非可換多様体」の幾何学的不変量と解釈できる.自然なモジュラー性の仮定の下で,「非可換面積」に当たる主要項がcentral chargeに比例すること,非可換オイラー数に当たる次項がネットの大域指数の対数に比例することがわかった.ブラックホールのエントロピーとの関係についても研究した. また枠付き頂点作用素代数の構成法の類似を,Longoと共に作用素環の局所共形ネットに対して行った.例として,ムーンシャイン頂点作用素代数に対応する作用素環の局所共形ネットを得た.さらにその自己同型群が期待通り,有限単純群モンスター群であることを証明した. ついでcentral chargeが1未満であるようなVirasoro共形ネットの既約だがlocalとは限らない延長を完全に分類した.Longo-Rehrenによるboundary CFTの一般論により,これはcentral chargeが1未満のalgebraic boundary CFTでHaag dualなものを分類したことになっている. さらにsuper conformal field theoryへの作用素環的アプローチを研究した.Super Virasoro algebraについてはcentral chargeが3/2未満のケースについて離散的な表現の列を持つことが知られているが,このケースについて,作用素環のsuper Virasoro netをcoset netとして実現し,その延長を調べることにより,super conformal netの分類を行った.これまで我々が展開してきた一般論のほかに,Gannon-Waltonによるmodular invariantの分類手法を道具として用いる.
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