研究分担者 |
松村 昭孝 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60115938)
小田中 紳二 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20324858)
名和 範人 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90218066)
和田 健志 熊本大学, 工学部, 准教授 (70294139)
野邊 厚 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (80397728)
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配分額 *注記 |
10,420千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
本研究では自己相互作用に由来する非線形性をもち,多粒子系非平衡平均場を記述する偏微分方程式の解に現れる爆発や界面などの臨界現象を,これらの方程式が置かれている統計力学的階層に内在する数学的原理に従うものと捉え,統一的に解析することによって,様々な分野の非線形性が共通にもつ現象を明らかにすることを目指した.扱った問題は定常乱流高エネルギー平均場,ゲージ場,リッチフロー,非線形放物型方程式,自己相互作用流体,物質・エネルギー輸送,腫瘍形成,相分離・相転移・記憶形状に関する非平衡熱力学である.この中で,特に細胞性粘菌の胞子形成を記述するモデルとして導入された走化性方程式を,質量保存と自由エネルギー減少という熱力学的法則を記述する物質輸送の基礎方程式であるSmoluchowski-Poisson方程式として捉え,様々な革新的な解析方法によって量子化する爆発機構を解明したことが,研究全体の中で大きな節目となった.これによって「スケーリングに基づく爆発包」「双対変分原理による定常・非定常状態の記述」「定常状態による非定常状態の階層的制御(非線形スペクトル力学)」という数学的指針が得られ,臨界現象に関する非平衡熱力学の現象論方程式の定常解の構造とその安定性,ゲージ理論や乱流理論に現れる定常平均場方程式や臨界Sobolev指数放物型方程式に出現するsub-collapseの形成とcollapseの衝突,非局所項放物型方程式やnormalized Ricci flowにおける量子化爆発機構の変形,高次元の定常状態質量量子化とその応用としての退化放物型方程式,Euler-Poisson方程式など,広範囲の数理的問題に共通する構造と現象を解明することができた.
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