研究課題/領域番号 |
16340093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡部 行男 九州大学, 理学研究院, 教授 (40274550)
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研究分担者 |
山田 和正 九州大学, 理学研究院, 助手 (30380562)
藤沢 浩訓 兵庫県立大学, 工学研究科, 助手 (30285340)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 強誘電体 / 分極 / 表面 / 2次元電子 / 分域 / サイズ効果 / ナノ物性 / 反電界 |
研究概要 |
酸化物強誘電体は、10-50μC/cm^2程度の巨大な表面電荷を持つ。このため、表面に電極が無いと、その漏れ出し静電場のエネルギーが著しく大きく、分域を形成して小さくすると考えられている。これは、通常強誘電体が絶縁体と見なせるからである。しかし、静電エネルギーで分域が規定されるのなら、電極無しでは、常に分域形成が静電エネルギーで制限されることになる。この影響は、極薄化すると甚大で、応用上も重要な問題である。目的:申請者らは、このような巨大な電界があると、強誘電体の最表面は単純な絶縁体と見なせないと提案し、初期検証として高真空中でBaTio_3の表面伝導を測定し、支持する結果を得たが、特に、国内では、外的要因によるものとと考えられ受け入れらていない。 報告者らは、試料、実験装置、実験方法を再検討して、従来の疑問の全てに答えられるような検討を行なうため、本科研費を申請した。即ち、本研究の目的は、強誘電体に特有な新しい電子系の有無を確立し、存在するならその普遍性を例示し、2次元性等の本質的性質をマクロ・ナノスケールの実験で解明することである。このため代表的強誘電体BaTiO_3の表面伝導を、10^<-10>-10^<-11>torrという超高真空で測定可能な独自の測定システム様々な条件を変えて測定し、強誘電体分極による本質的表面伝導層が存在することを確定した。その過程で、従来不可能と考えられた電場による電極無しの領域が分極処理できることを確定し、電子層のみでなくホール層も形成可能であることを発見した。ホール層の伝導性が電子層以上に高くなり、表面に局在していることを確認した。これらの結果は、国内外で広く賛同されるには至っていないが、報告者らの研究を原理とした電子素子が大阪大学から提案実証され、企業との研究に発展している。
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