研究課題/領域番号 |
16340104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鄭 国慶 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50231444)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
2005年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2004年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 超伝導 / 磁性 / NMR / 強磁場 / 高圧 |
研究概要 |
本研究では、強相関電子系における磁性と超伝導の関係をNMR法によって調べ、以下の研究成果を得た。 (1)重い電子系Ce(Ir_<1-x>Rh_x)In_5において、Ir濃度の増加とともに、反強磁性転移温度T_Nが一旦上昇し、x>0.5以上では急激に減少してx=0.6で消失することを見出した。しかも、T_N以下で超伝導が現れ、x=0.35 0.55の広い領域にわたって磁性と微視的に共存することを明らかにした。さらに、超伝導と反強磁性秩序は同一の電子によること、超伝導状態では共存する磁性によると思われる低エネルギー励起が存在することを見出した。 また、Ce(Ir_<1-x>Rh_x)In_5を構成するユニットであるCeIn_3においても、高圧下実験を行ない、超伝導と磁性の関係を調べた。2.2GPa付近で磁気秩序状態と常磁性状態が相分離することを見出した。また、2.3-2.5GPaの圧力領域では反強磁性と超伝導が均一に共存することを明らかにした。 (2)銅酸化物超伝導体Bi_2Sr_<2-x>La_xCuO_6において、反強磁性に起因すると考えられる擬ギャップという現象が超伝導と共存することを発見した。45テスラまでの強磁場で超伝導が抑制された後、最低温の擬ギャップ状態においてもフェルミ準位に有限な状態密度が残ることを明らかにした。これらの結果は、重い電子系において反強磁性と超伝導が共存するのと類似しており、擬ギャップは超伝導と共存する物質の状態であることを示す。 (3)コバルト酸化物超伝導体Na_xCoO_2^*1.3H_2Oにおいて、超伝導ギャップ関数に線状の節が存在することや、隣接する磁気/電荷秩序のために超伝導状態では低エネルギーの準粒子励起が存在することを明らかにした。
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