研究課題/領域番号 |
16340107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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研究分担者 |
松田 康弘 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10292757)
大島 勇吾 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10375107)
崔 光用 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20375108)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
2005年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2004年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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キーワード | 単分子磁石 / 強磁場 / 量子情報 / 磁性 / スピン多面体 / 量子計算 / 量子スピン系 |
研究概要 |
多面体構造を有するナノスピンクラスターは乱れのない高い対称性を有するナノ磁石であり、並進対称性を必要としないために、多様なスピンのトポロジーをとり得る。本研究では、フラストレーションを有するスピン多面体としてlcosidodecahedron構造のMn72Fe30とlcosihedron構造のFe9に関して研究を行った。前者は三角形の角共有ネットワークであり、後者は三角形の辺共有ネットワークである。 Mn72Fe30においては、強磁場磁化測定により、磁化の1/3異常が観測され、無秩序による秩序化の機構により磁化プラトーが安定化されることがわかった。また低温での比熱やESRの異常から、この系では相関の飽和による疑似相転移が見られることが示された。また、磁気状態数大きくなると、磁化の多段のステップが混成効果により消失する事が見いだされた。さらに、Fe9に関しては、スピンカイラリティの自由度が存在するために、ハーフステップ現象が生じることを示した。また本研究では、多面体を構成する三角リングの量子ダイナミックスをスピンカイラリティの自由度により生じる特徴的な準位交差により明確に説明することに成功した。さらにリング、ボール、チューブを通じて新しい内部自由度としてのスピンカイラリティが多様な物性を示すことを明らかにした。あわせて、他の単分子磁石等に関しても、エネルギー準位や磁化過程などを研究することで多面体との比較検討を行い、クラスター内部の磁気ネットワークが本質的な役割をはたす反強磁性磁気クラスターの理解に貢献した。
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