研究課題/領域番号 |
16340115
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小牧 研一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (40012447)
|
研究分担者 |
山崎 泰規 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30114903)
畠山 温 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (70345073)
鳥居 寛之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (20302838)
岡林 則夫 豊田工業大学, 工業大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (90387853)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
2005年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2004年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
|
キーワード | 多価イオン / 高感度表面分析 / ナノドット / ナノクレーター / 低速多価イオン / 表面吸着原子 / 元素分析 / 構造解析 / ポテンシャル・スパタリング |
研究概要 |
パルス化された低速多価イオンを、水素、及び、フッ素吸着したSi(001)結晶に入射し、放出される2次イオンを2次元位置敏感検出器で検出した。2次イオンの到達位置と到達時間から2次イオンの種類、所期速度(運動エネルギーと放出方向)を逆算し、フッ素原子については吸着構造を決定した。Si(001)面上のF-Siボンドは表面垂直方向からみて20°程度傾いていること、F^+イオンのイールドが入射価数の3乗に比例して増加すること、など、低速多価イオンが超高感度、無損傷な表面吸着原子の元素分析、構造解析手段として大変有力であることを明らかにした。さらに、実験結果を考察し、Fイオンの放出機構として拡張された古典的障壁乗り越えモデルを構築し、通常扱われている伝導電子ばかりでなく、より深い束縛状態にある電子の電荷移行についても統一的に理解できることを示した。 低速多価イオンをグラファイト表面上に照射するとイオン一個につき一個のナノドットが形成され、そのサイズは広い入射価数にわたって、入射価数に比例すること、一方、その高さは価数に存在しないこと、また、入射イオンの運動エネルギーにはほとんど依存性を持たないことを見いだした。さらに数10eV領域まで運動エネルギーを下げると、ドットがペアーで生じる確率が数10%に達することを見いだした。これは入射イオンが表面付近の層間位置に留まったため第2のドットが生じたと考えている。 Au表面上に自己形成したチオール単分子膜を多価イオンで照射し、数nmに達するクレータの生成されることを見いだした。これは一個の多価イオンが同時に数10個のチオール分子をスパッターするためと考えられる。
|