研究課題/領域番号 |
16340127
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
沖野 郷子 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (30313191)
|
研究分担者 |
中村 恭之 東京大学, 海洋研究所, 助手 (60345056)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90242172)
望月 公廣 東京大学, 地震研究所, 助手 (80292861)
富士原 敏也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (30359129)
佐藤 暢 専修大学, 経営学部, 助教授 (50365847)
小原 泰彦 海上保安庁, 海洋情報部, 主任研究官
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
2006年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2004年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
キーワード | 地殻・マントル物質 / テクトニクス / デタッチメント断層 / 背弧海盆 / 中央海嶺 / 地球観測 / 海底拡大 / 海洋コアコンプレックス / 国際情報交換 / フィリピン海 / パレスベラ海盆 / ヤップ海溝 |
研究概要 |
パレスベラ海盆は既に拡大を停止した背弧海盆で、これまでに海盆中部と北部の拡大軸周辺を中心に海洋コアコンプレックス(大規模デタッチメント断層によって地殻深部・マントル物質が表層付近に露出した構造)がみつかっており、拡大時にマグマ供給が乏しくテクトニックな拡大が卓越していた可能性が示されていた。また、世界最大規模の巨大な海洋コアコンプレックスも報告されており、形成当時の拡大速度が比較的速かったと考えられていることとあわせて、重要な研究ターゲットと考えられている。一方で、海盆の南部についてはこれまでほとんど調査がなく、テクトニックな拡大の規模や海盆初期の発達過程については未解明であった。本研究では、平成17年(2005年)6月(KH05-1-3)と7月(KH05-1-5)の2回に分けて学術研究船「白鳳丸」によって海盆南部ではじめて系統的な地球物理・岩石採取観測航海を実施し、以下の成果を得た。 1.大規模な海洋コアコンプレックスが北緯13-14度付近にはじめて発見され、またそこから下部地殻物質が採取された。それ以外にも、岩石採取はされなかったものの、地形的には海洋コアコンプレックスと考えられる構造が複数散在しており、海盆拡大の末期には海盆全体にわたってマグマ供給の乏しい環境にあり、デタッチメント断層によるテクトニックな拡大が卓越していたことが明らかになった。 2.パレスベラ海盆に複数存在する海洋コアコンプレックスから得られたガブロ・カンラン岩からウルトラマイロナイト・マイロナイトが存在することが明らかになり、現在のコアコンプレックスの表面がデタッチメント断層面であること、その断層がマントルリソスフェアまで達する大規模なものであることが示唆された。 3.海盆南端部で拡大初期に形成された海底の一部は現在マリアナ弧南端部の北側に存在するであろうこと、海底の一部はヤップ弧の沈み込みに伴って浸食されて失われたであろうことが明らかになった。また、南端部にはきわめて独特の活発な火成活動を示す地形が見られ、これらは主たるパレスベラ海盆拡大以前の古い地殻構造の可能性があることがわかった。
|