配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
2004年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
|
研究概要 |
本研究の目的は,炭・微粒炭や球状炭化粒子などの炭化粒子を用いて,過去から現在までのバイオマス燃焼の歴史や化石燃料燃焼史,さらにそれに伴う周辺環境への影響を解読することである.第四紀・後期更新世から完新世の時代,バイオマス燃焼は自然発生的な森林燃焼から人為的な焼畑,火入れ,山焼き,さらに建物火災などへと多様化した.また,人類は火をエネルギーとして使用し,燃料は木,木炭から石炭・石油などの化石燃料へと大きく変化した.これらバイオマス・化石燃料の燃焼に伴って発生する炭・微粒炭や球状炭化粒子は,堆積物中に良く保存される.研究では,大阪堆積盆地および周辺の上部更新統・完新統を研究対象として,堆積物中に含まれる炭・微粒炭・球状炭化粒子などの炭化粒子を用いて,過去から現在までのバイオマス燃焼の歴史や化石燃料燃焼史を解読し,それに伴う周辺環境への影響を検討した. 1.上部更新統・完新統の炭・微粒炭分析法よって,後期更世から完新世の自然発生的・人為的なバイオマス燃焼の歴史を明らかにし,燃焼量の増加した時期が縄文時代早期前半と弥生〜古墳時代以降にあったことを示した.また,過去約100年間の球状炭化粒子分析によって,球状炭化粒子含有量変化が明治時代以降の石炭・石油など化石燃料の燃焼量変化と極めて良く一致することを明らかにした. 2.堆積物の化学組成分析や花粉・珪藻・有孔虫・貝形虫分析を行い,バイオマス・化石燃料燃焼量変化が周辺環境にどのような影響を与えたのかを詳しく検討した.とくに,人為的燃焼と考えられる弥生〜古墳時代以降のバイオマス燃焼が植生変遷など周辺環境に与えた影響を各種分析によって検討した.また,過去約100年間においては,石炭・石油など化石燃料燃焼量の増加にともなって大気・水環境が影響を受けたことを歴史的に評価した.
|