研究課題/領域番号 |
16340165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
佐々木 晶 国立天文台, RISE推進室, 教授 (10183823)
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研究分担者 |
永原 裕子 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (80172550)
杉田 精司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (80313203)
山中 千博 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10230509)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 宇宙風化作用 / 小惑星 / 微小鉄 / 反射スペクトル / パルスレーザー / 普通コンドライト / リモートセンシング / イトカワ / 炭素質コンドライト |
研究概要 |
月岩石・隕石の実験室での反射スペクトルと月・小惑星の天体観測スペクトルには大きな違いがある。観測スペクトルは、全体的に暗く、波長が短いほど反射率が低い「赤化」の傾向があり、輝石やカンラン石に特有の1ミクロンの吸収帯が相対的に弱い。この月・小惑星表面の反射スペクトルの変化は、シリケイト中に含まれる酸化鉄が、ダスト衝突により還元されてナノメートルスケールの金属鉄微粒子となる「宇宙風化作用(Space Weathering)」と呼ばれる過程で天体表面が変成されたためと考えられている。研究申請者のこれまでの研究では、世界で初めてパルスレーザーを用いたシミュレーション実験でこの微小鉄粒子の生成を確認した。これまではサンプルをペレット状に固めるときに均等に圧力がかかるという理由で円形のサンプルホルダーを使用していた。昨年度は微小量サンプルの照射のために、皿状のサンプルホルダーを製作して使用した。本年度は、それを改良して微小量の隕石サンプルを照射できるようにした。また、導入した試料粉砕システムにより、隕石中に含まれる金属鉄も250ミクロン以下に粉砕できるようにした。この結果、これまでの隕石粉末試料照射と比較すると鉄の影響を正確に見積もることができるようになった。 「はやぶさ」ターゲット天体のイトカワの反射スペクトルを再現するため、LL・Lタイプの普通コンドライトを中心として様々な隕石試料の照射実験を行った。粉末試料だけではなく、隕石固体表面へのパルスレーザー照射を行い、反射スペクトルの変化が起きることを確認した。岩石表面の色変化の確認は世界で初めてである。
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