配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
地殻深部の岩石学的構造モデルを構築することは地殻のダイナミクスを研究する上で重要である.特に,地震発生帯・震源近傍・アスペリティの岩石学的構造は,地震発生のダイナミクスを理解する上で大きな役割を果たすと期待される.近年の地震学的研究においては,地殻および上部マントルのP波速度(Vp)・S波速度(Vs)トモグラフィーに加え,Vp/Vs比・ポアソン比構造も詳細に示されるようになってきた.しかし,岩石の高温高圧条件での弾性波速度測定は充分行われておらず,速度異常の実体についてコンセンサスを得ることは難しい.したがって,地殻深部の高温高圧下での岩石のP波速度・S波速度およびVp/Vs比・ポアソン比に関するデータセットの構築は地殻の構成岩石や速度異常(ポアソン比異常)の実体を明らかにする上で非常に重要である. 本研究では, (1)岩石のP波およびS波速度を高温高圧下で同時に測定する装置を開発した。 (2)地殻深部構成岩石のVp/Vs比やポアソン比を精密に測定した。 (3)測定データを用い,地震学的研究で得られた地震波速度・地震波速度パータベーション・ポアソン比・Vp/Vs比との対比を行い,岩石構造モデルを構築した。 (4)フルイド(特に水)が弾性波速度などに及ぼす影響を検討した。 すなわち、岩石のP波およびS波速度を最大1GPa1000℃の高温高圧下で同時に測定可能な装置を開発し,一ノ目潟捕獲岩やパキスタン産コヒスタン下部地殻岩類などの地殻深部構成岩石のVp/Vs比やポアソン比を精密に測定した.これらの研究成果の一部を、Geophysical Research Letters誌31巻および33巻,Tectonophysics誌396巻等に掲載した.さらに水を加えた条件で弾性波速度を測定できるように,高圧セルおよび弾性波発生部を改良した.岩石一水系の弾性波速度に関する成果の一部は,Physics or The Earth and Planetary Interiors誌161巻やAmerican Geophysical Union 2006 Fall Meetingにて発表した.
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