研究課題
基盤研究(B)
本研究では超臨界水中での溶媒和の特異性を、振動エネルギー緩和ならぴに振動スペクトルの溶媒密度依存性の評価から明らかにすることを目的に、主に光カーゲート法を用いた高温高圧超臨界流体中での超高速時間分解蛍光スペクトル測定システムの開発、及ぴラマン分光法をもちいた振動スペクトルの評価を行った。1.励起光にチタンサファイアレーザーの三倍波を用い、カー媒体に高屈折ガラス、ゲート光に基本波を用いて、高温高圧流体中での時間分解蛍光スペクトルを1.2ps以下の時間分解能で測定するシステムを開発した。このシステムで超臨界メタノール中でのペリレン分子の光励起初期蛍光ダイナミクスの測定を行い、スペクトル形状の初期変化を見出した。希薄気体中で測定した蛍光スペクトル形状の振動余剰エネルギー依存性と比較することで、この変化が振動エネルギー散逸過程に対応することを示した。測定の結果、振動緩和速度は溶媒の臨界密度からその二倍程度の領域にかけてほとんど密度依存性を示さなかった。一方常温常圧での緩和速度は温度の違いを考慮するとかなり速いことが示された。その他、非線形レーザー分光による流体中での振動緩和メカニズムの解明を進めた。2.ラマン分光法により超臨界水、超臨界アルコール中でのp-ニトロスニリンの振動スペクトルの溶媒密度依存性を評価した。また、類似の化合物をさまざまな条件下で測定した。その結果、N0_2伸縮振動数は溶媒の誘電率のようなバルクの特性を反映して変化するのに対し、NH_2伸縮振動数は溶媒の水素結合性に従って変化し、温度による効果が大きく、密度変化が小さいという特徴がみられた。このような水素結合による溶媒特性がペリレンの振動緩和速度の変化とも相関していると考えられる。今後、研究期間内に実現できなかった超臨界水中での振動緩和ダイナミクスの測定をすすめ、振動スペクトルとのより緊密な相関を明らかにしていく予定である。
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