配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
構造の明確なナノ共役物質を用いて長距離・広範囲にわたるπ電子の非局在化の制御を目的として,オリゴチオフェン分子ワイヤを基本骨格とする機能集積および超分子集積を施した拡張共役系の基礎および応用の両面から以下の研究を行った。 1.オリゴチオフェン分子ワイヤを介した光誘起電子移動の外部刺激による制御を目的として,2つのチオフェン4量体で共役拡張したチオフェン縮環イミダゾリウムの片末端にドナーとして亜鉛ポルフィリンを他端にアクセプターとして[60]フラーレンを連結した化合物の合成を行った。イミダゾリウム部の対イオンによるスイッチングが可能であることが示された。 2.オリゴチオフェン4量体と9量体を基本骨格として,1,3,5一トリ置換ベンゼンを分岐部とする自己集合性のデンドリマー型オリゴチオフェンの合成を行ない,NMRケミカルシフトの濃度変化と温度変化ら会合定数と熱力学的定数を決定した。また,チオフェン末端部をフェニル基で置換した化合物において,電界効果トランジスタ(FET)特性を評価し,デンドリマーの世代に依存した良好なp一型特性を明らかにした。 上記デンドリマー型オリゴチオフェンと[60]フラーレンの各種連結分子の合成を達成した。FET素子評価によって,デンドリマーの世代と置換数に依存して,両極性が出現するという興味深い特性を明らかにした。 3.単分子導電特性評価を目指した分子ワイヤとして両末端アンカー付き24量体オリゴチオフェンの合成に成功し,ナノギャップ電極を用いた導電特性評価を行った。 4.オリゴチオフェンを基盤とするn一型半導体の開発研究として,ヘキサフルオロシクロペンテン縮環チオフェン,および,ジフルオロメチレン架橋ビチオフェンおよびこれらを基本ユニットとする拡張共役オリゴマーの合成に成功した。これらのうちの幾つかは,FET素子において良好なn一型特性を示した。
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