配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
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研究概要 |
研究代表者が世界に先駆けて開発した薄層二相マイクロセルと光学顕微鏡を用いて,ドデカン/硫酸水溶液界面で,5,10,15,20-テトラフェニルポルフィン(tpp)の中心の2つの窒素原子がプロトン化してH_2tpp^<2+>になり,それが集積化して大きさ10-200μmのひし形状マイクロドメインが生成することをin situで明らかにした。新たに,顕微鏡の対象物上において,直径40μmの範囲の光の強度を分光して計測するシステムを作成した。そのin situ顕微分光計測装置を用いて,ドデカン/硫酸水溶液界面に生成したH_2tpp^<2+>集積体のマイクロドメイン1つの吸収スペクトルを測定し,473nm付近に吸収極大を示すことを明らかにした。また,その吸光度の値から,マイクロドメインの厚みが車分子層レベルであることが判った。 次に,入射光(473nm)を直線偏光として,その偏光方向を変えて顕微画像を取得した。その結果,それぞれのマイクロドメインは均一であることが判った。さらに,偏光方向とマイクロドメインの長軸のなす角度の関数として,吸光度を測定した結果,その長軸方向に一種類の遷移双極子モーメントが存在することが明らかになった。 さらに,このマイクロドメインの泳動を検討するために,微小な先端を有する2本の電極をドデカンに浸漬した。この2本の電極は,マニピュレーターにセットして,電極間距離を100-300μm,電極と界面の距離を100-170μmになるように配置した。この2本の電極に,-100Vから100Vの直流電圧を印加した結果,このマイクロドメインは,負の電圧を印加した電極に向かって泳動した。このことは,これらか正の電荷を有しており,主にクーロン力によって泳動していることを意味している。他の微粒子についても検討した結果,この手法が,液液界面に存在する物質の選択的な泳動法になり得ることが示唆された。
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