研究課題/領域番号 |
16350056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 章夫 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20144438)
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研究分担者 |
芝田 育也 大阪大学, 環境安全研究管理センター, 教授 (10196420)
安田 誠 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40273601)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | ルイス酸 / インジウム / ケイ素 / アルコール / 直接置換 / NMR / 選択性 / 触媒 / 置換 / 直接変換 / 水酸基 / 塩素化 |
研究概要 |
天然に豊富に存在するアルコールを合成的に利用することができれば、省資源的ファインケミカルの合成の観点から、社会に大きく寄与することが期待できる。しかしアルコールのOH基は通常脱離能力がきわめて低く、直接置換反応により合成反応に利用することは困難で、等モル以上の酸を必要とする。本研究では、この反応を触媒的に進行させることに成功した。触媒としてケイ素とインジウムを共存させる系が最も効果が高い。スペクトル的観測から、ケイ素状のハロゲン原子がインジウムに配位した形の複合ルイス酸を発生していることがわかった。この化学種はケイ素上に高いルイス酸性が発現している。アルキル化試剤としては、アリルシラン、アルキニルシラン、プレニルシランなどを用いることができ、高い選択性を示した。また、高い官能基選択性を示し、OH基と共存するエステル基やハライド、ニトロ基には全く影響を与えなかった。これまでこのタイプの反応はごく少数であるが報告があったが、それらはすべて塩素系溶媒が必須であった。今回の我々の系では、塩素系溶媒は必須ではなく、ヘキサン等の溶媒で反応が効率よく進行した。基質によっては、ヘキサンの方が高い収率を示すものもあった。これは、工業的な観点から、画期的な研究の進展であると評価できる。アルコールは3級基質が最も反応性が高いことから、カチオン機構で反応が進行していると考えられる。この性質を利用することで、アルコールの級数による選択的アルキル化反応を達成することができた。また、天然物合成への応用にも成功し、糖類のヒドロキシル基の置換反応が高い収率で反応が進行した。また、フェロセン部位を有するアルコールの置換反応を達成することができたことから、金属錯体の配位子修飾を錯体段階から行うことができ、これまでの錯体合成の手法を変える起点となる研究成果が得られた。
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