研究課題/領域番号 |
16350066
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子化学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐田 和己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80225911)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
|
キーワード | 包接結晶 / ナノ多孔質結晶 / 結晶重合 / 金属カルボキシレート塩 / 金属イオン / 固相重合 / 金属有機格子 / 3次元格子 / 包接重合 / モノマー / カルボン酸 |
研究概要 |
従来合成されている金属カルボキシレートナノ多孔質結晶の空孔のサイズの拡大を目指し、分子の長軸の長さが約20Åと見込まれるジフェニレンビニレン骨格を有するジカルボン酸の新規合成を行った。その結果、3ステップの反応で約20%の収率で最終生成物を得ることができた。また、原料を修飾することで、重合性官能基である末端ビニル基をもつジフェニレンビニレンジカルボン酸の合成に成功した。 さらにこれらのカルボン酸と金属イオンを反応させ、多孔質結晶の形成について検討した。その結果、既報の方法により、ジフェニレンビニレン骨格を導入した金属カルボキシレートナノ多孔質結晶の形成が確認できた。熱重量分析からはゲスト分子が多量に包接されていることが明らかになった。またX線粉末回折パターンをみると、他のテレフタル酸誘導体と同様の回折パターンを示しており、同じような3次元格子が形成されているものと思われる。 これらの金属カルボキシレートナノ多孔質結晶の包接挙動を検討した。ジフェニレンビニレン骨格は蛍光色素として機能するため、アクセプターを包接させることで、蛍光の消光が起こると期待できる。そこで、アクセプターであるメチルビオローゲンおよびフラーレン誘導体の溶液に結晶を浸責させ、共焦点蛍光顕微鏡で観察したところ、ゲスト溶液への浸責により、蛍光が消光した。これはアクセプターが結晶内に取り込まれたためと思われる。 このようにゲスト分子の挿入によるホスト格子の発光の制御が可能であることが明らかになった。さらにビニル基をもつ金属カルボキシレートナノ多孔質結晶についてはグラッブス触媒によるオレフィンメタセシス反応による架橋反応を検討した。その結果赤外吸収スペクトルから、十分に反応が進行しているようではなく最終的に3次元網目構造の確認までは至っていない。さらなる反応条件の最適が必要と考えられる。
|