配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 15,600千円、間接経費: 900千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2004年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
本年度は,本研究課題でこれまで開発してきた核酸に新規合成手法をRNA類縁体合成に応用するため,RNA化学合の鍵となる,2'-水酸基保護基の開発を行った。2'-水酸基の保護基として、塩基性条件下脱保護が可能な1-(2-シアノエトキシ)エチル(CEE)基を用いるモノマーユニットの合成を検討し,4種類の核酸塩基を有するモノマーユニットの合成法を確立した。さらに,CEE基の脱保護条件について検討した結果,塩基としてTBAFを用いると、CEE基は迅速に脱保護されることを見いだした。合成したモノマーユニットを用い,2量体を合成し、その脱保護条件を検討した。2量体を用いたCEE基の脱保護にTBAFを用いることによって,目的とするRNA 2量体が得られるが,アデノシンとシチジンを含む2量体の場合,塩基部位に2-シアノエチル化が進行することを明らかにした。これは,CEE基脱保護反応の副生成物であるアクリロニトリルが塩基性条件下,Michael型の付加反応を引き起こしていることが原因であることが明らかとなり,この副反応を抑制するために,アクリロニトリルの捕捉剤を種々検討した結果,ニトロメタンを添加することによって,ほぼ完全に副反応を抑制することに成功した。最適化された条件を自動合成機をいた固相合成法に適用し,種々のオリゴヌクレオチドを合成した。CEE基で保護したモノマーユニットを用いる縮合反応収率は98-99%であり,長鎖RNAの合成に十分有効であることを示した。そこで,siRNA21量体の合成を行い,良好な収率で目的物を単離することに成功した。今後,本研究で開発した新しい保護基を種々のRNA類縁体合成に適することにより,効率的な核酸医薬の合成が可能になることが期待される。
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