研究課題/領域番号 |
16350086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
早川 芳宏 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50022702)
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研究分担者 |
塚本 眞幸 名古屋大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (10362295)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2004年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | アンチセンス核酸 / オリグヌクレオチド / c-di-GMP / バイオフィルム / 免疫刺激剤 / 黄色ブドウ球菌 / 緑膿菌 / バイオフィルム感染症 / バイオフィルム感染症治療薬 / 免疫活性化剤 / 免疫応答活性化 / 抗がん剤 / ヌクレオチド / ユニバーサル塩基 / 鉄還元菌 / 抗がん作用 / アミダイト法 / カルボン酸 / 促進剤 |
研究概要 |
(1)アンチセンス治療薬として有効なボスフェート/ホスホロチオエート混合型オリゴデオキシリボヌクレオチドのホスホロチオエート部の立体化学が単一な化合物の新規合成法を、独自に開発したRpおよびSp-ヌクレオシド3'-5'-環状ホスファイトトリエステルの熱力学的安定性の差を利用したSp-環状ホスファイトトリエステル体の立体選択的調製法を基盤に、達成した。 (2)多様な生物機能をもつことが示唆されている天然超微量核酸成分、環状ビス(3'-5')ジグアニル酸(c-di-GMP)の未確認生理活性の確認および新規生理活性の発見を目的に、同化合物およびその類縁体の高効率合成法を開発した。さらにそれらの生理活性探索研究を行い、c-di-GMPが黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成を阻害する事、さらに同菌のHeLa細胞への感染を抑制することを、in vitro実験および、マウスを用いたin vivo実験により見出した(メリーランド大学(米)との共同研究)。このことにより、c-di-GMPがバイオフィルム感染症治療薬としての可能性をもつ事が示唆された。また、in vivo実験では、c-di-GMPはバイオフィルム形成阻害だけでなく、宿主(マウス)の黄色ブドウ球菌に対する免疫力を増強し、宿主が同菌に感染され難くなる事を見出した。本発見は、換言すると、c-di-GMPは免疫応答活性化させて細菌感染を予防する薬、すなわち、免疫刺激剤として使用できる事を示唆するものであり、極めて重要な発見である。さらに、c-di-GMPは緑膿菌(ハーバード大学(米)との共同研究)、大腸菌(メキシコ国立大学との共同研究)、および環境細菌である鉄還元菌(スタンフォード大学(米)との共同研究)のバイオフィルム形成においても鍵物質として働いている事を見出した。くわえて、c-di-GMPは大腸ガン細胞の増殖を抑制する効果をもち、同ガンの治療薬としての可能性をもつ事も見出した(メリーランド大学との共同研究)。
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