研究課題/領域番号 |
16350093
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小松 晃之 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (30298187)
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研究分担者 |
中川 晶人 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (20348858)
黄 宇彬 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (20386725)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 蛋白質 / 生物無機化学 / バイオテクノロジー / 生体系類似化学 / アルブミン-プロトヘム / 遺伝子組換えアルブミン / 合成ヘム蛋白質 / 酸素錯体 / アルブミン・プロトヘム |
研究概要 |
ヒト血清アルブミンのヘムポケット内部にヒスチジン(His)を導入した組換えアルブミン(rHSA)を合成し、鉄プロトポルフィリンIX[プロトヘム:heme]を軸配位により固定、従来に類例のない酸素輸送合成ヘム蛋白質[組換えアルブミン-プロトヘム(rHSA-heme)錯体]を創製することを目的とする。酸素配位平衡を制御できる人工ヘムポケットの分子環境構造を明確にしたい。 初年度は、組換えアルブミン(rHSA)の発現とrHSA-heme錯体の調製および酸素結合反応の解析を実施し、ヘム近傍分子環境が酸素結合に与える影響を明らかにした。第二年次は、酸素配位座側に遠位塩基を導入することにより、hemeの酸素親和性を18倍増大させることに成功した。さらにhemeを亜鉛プロトポルフィリン(ZnPP)に変換すると、得られたrHSA-ZnPP錯体が、水の光還元反応系における有効な増感剤として作用することも見出した。第三年次は、ヘムポケット構造の最適化を進め、最終的にヒトHbやヒト赤血球と同じ酸素親和性を有するrHSA-heme錯体を創製した。 本来補欠分子族すらもたない単純蛋白質のアルブミンに酸素結合能を付与することに成功した成果は、ヘモグロビンを全く必要としない完全合成系人工酸素運搬体の開発に大きな突破口を開くものであり、社会福祉に与える波及効果と意義はきわめて大きい。本研究内容は、研究報文17報、総説・図書3件として公開され、国内外から多くの注目を集めている。
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