配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2004年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
従来の燃料電池用電極触媒の研究は,実用触媒とは異なる平板電極を用いる基礎研究と,単セル特性から触媒性能を大まかに推測する方法に二極分化していた。本研究は,研究代表者がこれまで開発してきた粉体マイクロ電極を,直接アルコール形燃料電池(DAFC)に用いられるパウダー触媒の電極反応に適用し,アルコール酸化の複雑な電極反応機構をストレートに研究することを意図して計画された。すなわち,ナノサイズ金属粒子を担持したパウダー触媒(数100nm径)を対象に,集積型パウダーマイクロ電極と名付けた新規計測デバイスを創製し,粉体状触媒の電気化学特性を簡便かつ正確に計測するとともに,粉体触媒上のアルコール酸化反応メカニズムを詳細に研究するものである。具体的には,(1)Pt/CおよびPt-Ru/C微粒子触媒を充填したパウダーマイクロ電極を用いて,C1〜C4アルコール酸化反応のボルタモグラムの温度依存性を測定するとともに,(2)主要アルコールについて昇温昇圧下の酸化特性を調べた。また,(3)パウダーマイクロ電極とマイクロディスク電極をドッキングしたデュアル電極を創製し,(4)触媒粒子上で生ずるアルコール酸化反応生成物をマイクロディスク電極で検出することに成功した。さらに,(5)アルコール酸化反応生成物分析装置を作製し,膜電極接合体(MEA)の電極触媒上のアルコール反応生成物・反応中間体を調べた。また,(6)MEAにおけるハーフセル反応解析を意図し固相セルを製作して,水溶液中の反応との相違を研究した。以上のように,電極触媒上のアルコール酸化反応機構研究を行う電気化学システムが確立され,またこれまで知見が少なかった電極触媒ならびに電解質界面に関する研究が進んだ。
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