配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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研究概要 |
本研究では,ロイシン(Leu)3-6個が連鎖したペプチド誘導体の形成する超分子フィルムを(1)分子構造と超分子フィルムの力学物性の関係、(2)柔軟な超分子フィルムの精密構造解析、(3)柔軟な超分子フィルムの作成条件と成形加工、(4)分子を機能原子団で修飾した分子の合成と利用に向けたフィルム物性の観点から検討した。(1)については,油圧プレスして作製したフィルムについて,フィルム作製時の油圧とフィルムの単位面積あたりの引っ張り強度をグラフ化し,フィルム作製時の圧力が高いほど,引っ張り強度に優れたフィルムになることを明らかにした。(2)については,気水界面単分子膜について,ロイシンファスナーに起因すると考えられる一時的表面圧増加の前後でFT-IRスペクトルを測定するとともに,原子間力顕微鏡(AFM)で表面形態を比較した。その結果,圧力増加後のFT-IRスペクトルに,ロイシン側鎖のメチル基が運動を拘束されることに起因ずる大きな高波数シフトを観察した。すなわち,ロイシン型両親媒性分子は,水面上でまず水素結合による会合体を形成し,表面圧を増加させればこれらがロイシンファスナーで連鎖するという階層構造化を起こしている。AFMによる表面形態観察では,一時的圧力増加前後でフィルムの表面形態が劇的に整うことが明らかになった。(3)については,結晶化しやすいヘキサロイシン誘導体を結晶化能に乏しいオリゴエーテル型カルボン酸と結合することで結晶化を抑制し,強度の高い柔軟なフィルムにが作成できることを明らかにした。また,この際,油圧プレスが塑性加工法としてきわめて有効な手段であることを明確にした。(4)については,パーフルオロアルキル鎖を有するトリロイシン型分子を用い,この分子で単分子膜コートしたガラス基板が大きな撥油性を示すことなどを明らかにした。
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