研究課題
基盤研究(B)
繊維・高分子材料/アパタイト複合体の開発に関する研究は、老齢人口の増加を背景とした社会からの骨や歯の再生に関する高い材料開発の要請を受けて極めて活発である。本研究の目的は、厳密に構造制御された絹の繰り返しラメラ構造を基盤とし、遺伝子組み換え法を用いて基盤表面のターン構造部位へ規則的にカルシュウム結合部位を導入、それにより絹基盤表面上へアパタイトナノ結晶を生成、新規骨補填材料を開発することである。絹の構造制御によるラメラ構造の発現に関して、(AG)_<15>をモデル系とし、固体NMRの各種解析技術を用いて構造の解明を進めた結果、繰り返し構造部分が8残基からなるラメラ構造が高い確率で出現することを明らかにした。一方、CalbindinD9Kのカルシュウム結合部位ならびにアコヤ貝真珠層に存在するカルシュウム結合部位に着目し、それを各種絹の繰り返し構造(Ala)_<12>,(Ala-Gly)_6,(Ala-Gly-Gly)_4,(Ala-Gly-Gly-Gly)_3で挟んだ一連のモデルペプチドを合成し、固体NMRを用いて、その構造を詳細に検討した。さらに、家蚕絹結晶部の繰り返し構造の間に、接合部として、アコヤ貝真珠層のカルシュウム結合部位を導入した新しい絹様タンパク質を遺伝子組み換え法を用いて生産した。ファーメンターを用いた培養によって、数十mg/lの試料を得ることができた。また、カルシュウムとリンを含む水溶液中に交互浸漬を行うことによって、カルシュウムを表面に沈積させ、ハイドロキシアパタイトと推定される絹様材料を作成することができた。一方、これらの絹様タンパク質の新規骨補填材としての評価をウサギ大腿骨への移植実験により行い、長期にわたる絹様タンパク質の分解と新生骨の生成に関して検討した。絹様タンパク質が、それらの観点から極めて優れていることを見出し、関連学会で報告した。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (56件) 図書 (2件)
Biomacromolecules (in press)
J. Amer. Chem. Soc. (in press)
Key Engineeering Materials 309-311
ページ: 1169-1172
Macromolecules 39
ページ: 6-8
Biomacromolecules 7
ページ: 18-23
Biomacromolecule 7(2)
ページ: 627-634
J. Appl. Polym. Sci. 99
ページ: 2822-2830
J.Amer.Chem.Soc. (in press)
Macromolecules 39(1)
Biomacromolecules 7(1)
J.Appl.Polym.Sci. 99
Chemistry Letters (in press)
10018125761
Biomacromolecules 6
ページ: 468-474
Macromolecules 38
ページ: 3356-3363
ページ: 6038-6047
J. Biochemistry 137
ページ: 721-729
10017345644
ページ: 7397-7403
ページ: 3220-3226
Protein Science 14
ページ: 2654-2657
J. Phys. Chem. B. 109
ページ: 17689-17692
J.Biochemistry 137
J.Phys.Chem.B. 109
Biomaterials 25
ページ: 617-624
Biomacromolecules 5
ページ: 744-750
Magnetic resonance in chemistry 42
ページ: 258-266
ページ: 680-688
Macromolecules 37
ページ: 3497-3504
ページ: 1763-1769
ページ: 2247-2257
Biopolymers 75
ページ: 314-324
Polymer Journal 36
ページ: 999-1003
10014193964
Journal of Biochemistry 136
ページ: 643-649
10016203581
J Biomed Mater Res A 65
ページ: 369-378
Encyclopedia of Biomaterials and Biomedical Engineering (Marcel Dekker, Inc.)
ページ: 1363-1370
Macromol Biosci 4
ページ: 175-185
現代化学 東京化学同人 6月号
ページ: 24-31