研究課題/領域番号 |
16350126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
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研究分担者 |
吉岡 まり子 京都大学, 農学研究科, 講師 (30220594)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2005年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2004年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | 糖質高分子 / メゾスコピック特性 / 液晶 / ゲル / イオン性液体 / 動的機能材料 / 磁性材料 |
研究概要 |
糖質高分子の中間相(液晶・ゲル)の構造とそれに基づく性質(メゾスコピック特性)をイオングループ等の介在によって制御すると共に、電場・磁場などの外部刺激に対して巨視的性質が可逆応答する動的機能材料を設計することを目的とし、以下の研究成果を得た。 1.糖質高分子の液晶相構造制御と動的機能材料の創成に関して (1)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)のコレステリック液晶相をメタクリレート系ポリマーマトリックス中に重合架橋法で固定化した新規複合フィルムを合成した。各種の塩水を含浸させて液晶相構造を制御することにより、複合フィルムの選択光反射色や透明度を変化させることに成功した。更に、塩イオンが共存したゲル状フィルムの光学特性を低電場刺激で動的制御することにも成功した。 (2)イオン性液体である1-アルキル-3-メチルイミダゾリウム塩を共存させたHPC/水系溶液の相図を完成させると共に、電場印加による液晶光学機能の制御に成功した。また、HPCおよびエチルセルロース(EC)の水酸基よりアルキル鎖を介してN-メチルイミダゾリウム塩を側鎖導入した新規イオン性セルロース誘導体を合成し、それらの液晶形成挙動を明らかにした。 (3)3O位と6O位にアルキルエステルが導入されたキチンジエステルCn-AC(側鎖炭素長n=4-20)を合成し、特異な二重メソモルフィック構造を形成することを見出すと共に、長鎖アルキル側鎖の液晶ガラス相が示す急速なエンタルピー緩和現象を他系のそれと比較しつつ定量解析した。 2.糖質高分子のゲル構造制御と動的機能の創成に関して 電解質多糖のアルギン酸・カラギーナンをゲルマトリックスとして、鉄イオンの高含率インターカレーションとin situでの酸化鉄合成によって磁性ナノ微粒子を化学充填する方法を確立した。更に、多糖ゲルの脆さを解消するために各種ビニルポリマーとのIPN(相互侵入網目)化を図り、優れた粘弾特性と室温超常磁性を示す磁性複合材料の作製に成功した。なお、高分子の複合化に関連して、糖質高分子/ビニルポリマーの相溶性と分子間相互作用について熱分析を中心とした基礎データの集積も行った。
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