研究課題/領域番号 |
16350129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
古川 猛夫 東京理科大学, 理学部・第一部化学科, 教授 (90087411)
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研究分担者 |
高橋 芳行 東京理科大学, 理学部・第一部化学科, 助手 (80266923)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2004年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | フッ化ビニリデン / 強誘電体 / 薄膜 / 膜厚 / 結晶化 / 運動論 / 拡散律速 / 強誘電性高分子 / 原子間力顕微鏡 / 表面 / 構造制御 / 微細加工 / 分極反転 / 超薄膜 / 界面 |
研究概要 |
本研究では、強誘電性高分子VDF/TrFE共重合体薄膜の諸特性について考察をおこなった。 薄膜においては電極の効果が重要である。特に、試料両面の電極に異なる金属を用いた場合には、D-Eヒステリシス、スイッチング特性等に膜の表裏による差異が生じることがわかった。その膜厚依存性を詳細に検討した結果、両電極に用いた金属間の仕事関数の差、すなわち接触電位差の効果が無視できないことがわかった。 試料の厚さを薄くしてゆく際の諸物性の膜厚依存性から、薄膜化の効果が比較的厚い試料から見られたが、これはアルミニウム電極に顕著で金電極ではあまり明瞭ではなかった。高分子と基板との相互作用の可能性もあるが、アルミ表面の酸化層の影響が大きいと考えられる。高分子物性そのものへの薄膜化による影響は今回調べた膜厚範囲においては顕著ではないことがわかった。 薄膜内の結晶化挙動を調べた結果、融解再結晶化において出現する針状組織のネットワーク構造は、基板に垂直に配向したラメラであることが明らかになった。同時に基板に平行なラメラである板状晶も生成したが、生成条件を制御することによって、両者の比率を制御することが可能であることを示した。 きわめて薄い試料においては、結晶の外形から、基板上の分子鎖の拡散が成長を律速していることがわかった。これより基板上での分子拡散係数を見積もることができた。 以上のように、この高分子の薄膜における挙動や構造制御、実用化へ向けた理解として、基礎的な知見を得ることができた。
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