研究課題
基盤研究(B)
高い輝度の放射光5□mΦのマイクロビーム微小構造スペクトロスコピーを伴う結晶内部の状態を高分解能可視化する散乱トポグラフ観察が可能となる状態を達成していたが、ルーチン的にこの実験配置を再現性よく作ることは高度の熟練を要した。研究初期においてこの改善をまず行った。まず最初に、マイクロホールコリメーター(MHC)によってビームの微細化を達成し、種々のケースの計算機シミュレーションを行い、その予測を立てた。このシミレーションをもとに、マイクロビームの形成実験を成功裏に達成した。さらに、結晶評価の新たなツールと成り得るマイクロビームを用いた結晶内部のペンデルビート現象の測定の試みにより、マイクロビームから動力学的回折が生じ、波長変化に対応した積分強度のペンデルビート現象が明瞭に観察された。また散乱トポグラフィーで試料を観察した範囲において測定箇所を変えてエネルギーペンデルビート測定を行い、原子散乱因子の計測をした。次に歪を有する不完全結晶の二次構造の可視化に成功した。このような歪を有する不完全な結晶の「無歪イメージング」とその画像の統計的動力学回折理論による解釈を初めて成功した。新しい構造評価を行うことができた。この応用としてGaAs基盤上にN+イオン分子線エビ成長させたGaN膜の観察を行った。4軸ゴニオによるマッピングによる逆格子平均構造を調べた上で、マイクロビーム走査による構造イメージングを行い、GaNウルツァイトエピ膜とGaNウルツァイトージンクブレンド混晶は異なる成長をしていることが判明した。結晶の格子傾き(方位分布)と格子間隔(残留応力分布)の構造分布の可視化も成功した。観察対象としての電子素子に加えて生体の可視化に適用して、重要な成果(研究成果報告書)を得た。
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