配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2006年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
微細化が進むシリコンICにおいて,製造プロセスの随所におけるシリコン原子そのものの挙動を物理的に解明する重要性が高まっている.例えば,ソース・ドレイン不純物層の過剰拡散,Si酸化膜の形成過程の解明において,これまでの実験では背景のシリコンは動かないと仮定し,不純物の挙動のみが重点的に解析された.しかし,ナノ空間ではシリコンの挙動をプローブし,不純物との相互作用を明らかにすることが,統一的描像をえるために不可欠である. 本研究ではシリコンの2種類の安定同位体(^<28>Siと^<30>Si)の位置と濃度をナノオーダーで制御したシリコンウエハーを作製し,不純物拡散・熱酸化などの各種プロセスを経た後,不純物とシリコンの挙動を2次イオン質量分析法(SIMS)を用いて測定した.この拡散分布測定から不純物・シリコン相互作用を明らかにし,各種不純物の拡散機構やゲート絶縁膜の形成機構を物理的に解明しモデル化することに成功した.特にSi酸化膜を通してSi中にイオン注入されるボロン(B)不純物の酸化膜とシリコン中の拡散をSiO複合体の影響を考慮して解明することに注力した.先行研究では,酸化膜中のB拡散が様々な条件で変化することが報告されているが,我々はシリコン酸化膜とシリコン界面において生じるSiOの影響を考慮したB拡散機構を取り込んだ統一的なモデルを構築し,実験結果が常に再現できることを確認した.本研究で構築された物理的モデルは,ナノスケール時代のシリコンプロセスシミュレータの開発に不可欠になるであろう.
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