配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
|
研究概要 |
本研究は,表面粗さ構造の非定常性とミクロからナノにわたるマルチスケール性に着目し,潤滑膜の局所的破断が巨視的な潤滑不良に発展する過程を実験・理論両面から検討し,混合潤滑における潤滑破綻の機構を解明することを目的としている. 実験においては,まずマイクロピットをもつテクスチャー表面をフォトエッチングによって作成した.超薄膜光干渉EHL膜測定装置による潤滑下の摩耗と潤滑状態の変化の追跡を平滑面,及びマイクロピット表面について行い,摩耗痕やピットなどが通過する際の流体流れの変化と,これにともなう局所的な薄膜部の形成と摩耗の発生・拡大に至る過程について知見を得た.また,キャビテーションに及ぼす雰囲気気体の影響について予備的な検討を行った. 非定常性・マルチスケール性をもつ表面形状構造の記述においては,ウェーブレット変換の適用を行った.凹凸の配置パターンをウェーブレット変換係数の形で与え,その逆変換によって得られる表面形状について単純な傾斜平面軸受の数値計算を行い,凹凸の空間配置の潤滑膜形成に及ぼす影響を検討した. また,流体潤滑の理論解析として,メカニカルシール等を想定したテクスチャー表面の流体潤滑のモデル解析を行い,マイクロピットの形と配置による流体潤滑性能への影響を明らかにした. さらに,潤滑膜中のキャビティー形成過程を捉えるために,流体潤滑膜のNavier-Stokes方程式に気液界面を追跡するLevel Set法を適用した解析プログラムを開発し,キャビティーの膜厚方向の形状と発生位置を求め,それらが表面凹凸の形とキャビテーション圧力によって影響を受けることを示した.
|