研究課題/領域番号 |
16360086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
花崎 秀史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60189579)
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研究分担者 |
宮嵜 武 電気通信大学, 電気通信学研究科, 教授 (50142097)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 乱流 / 成層 / 回転 / 二重拡散 / 熱輸送 / スカラー輸送 |
研究概要 |
本研究では、成層回転乱流中での熱・スカラー多重拡散のメカニズムを、乱流理論(Rapid Distortion Theory(RDT))、数値シミュレーション(DNS)、乱流渦-波動モデル、及び、室内実験によって解明した。従来、二重拡散の問題は、流体運動の「安定性」の問題として考えられ、それが実際の「乱流輸送・拡散」にどう寄与するかについては殆んど研究されていない。これは、アクティブスカラーが熱一つだけの場合でも対象がすでに複雑であることが原因だが、例えば、上述の乱流理論(RDT)を用い、アクティブスカラーが二種以上の時の非定常解を得た。本研究では特に、(1)複数のアクティブスカラーの分子拡散係数の違い(熱:κ_T、濃度など第二のアクティブスカラー:κ_C)(2)温度勾配(dT/dy, y:鉛直座標)と濃度勾配(dC/dy)の(安定度(符号)を含めた)違い(3)主流の鉛直シアー(S=dU/dy)(4)成層回転乱流に特有の「波動成分」に二種のアクティブスカラーが与える効果が乱流フラックス(渦拡散係数)に与える影響を解明した。また、RDT理論、DNSの他、乱流を渦の集合体として捉え、波動の効果も考慮した「乱流渦一波動モデル」の構築とそれを用いた熱・スカラー輸送のシミュレーション、二重拡散の実験を行ない、理論及びDNSの結果について、メカニズム解明と定量性の両面から検証を行なった。線形理論であるRDTの理論的な結果は、数値計算及び実験の結果と良好な一致を示した。このことから、例えば海洋中深層での乱流のように乱流強度が比較的弱い場合、線形効果が重要であることがわかった。
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