配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2005年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
本研究では,マイクロサージェリーを将来的な応用目的に据えた,可変スケール型のバイラテラルテレオペレーションシステムの開発を目的とし,可変スケール型スケールドテレオペレーションの理論体系の構築と微細作業用可変スケール型バイラテラルテレオペレーションシステムの構築を目指した. 本研究では,まず位置と力のスケール比を固定とした場合でのスケールドテレオペレーションにおける安定性解析を行い,ついで可変スケール型スケールドテレオペレーションのバイラテラル制御のためのコントローラ設計手法を$H_{infty}$制御理論と線形行列不等式(LMI)を使ってゲインススケジューリングの枠組みで行う手法を確立することができた.また設計されたコントローラが過度に保守的とならないように,各変数に対する重みをスケール比依存とすることで制御系の保守性を低減させる手法を提案した. 以上のように,本研究では可変スケール型を含む広い範囲でのマスタ・スレーブシステムのバイラテラル制御のコントローラ設計の設計手法の基本的枠組みを確立することができ,その意義は非常に大きいものである. 微細作業用可変スケール型バイラテラルテレオペレーションシステムの構築については,特に視覚提示系に注目して,操縦者が位置スケールと力スケールを自由に変更したときにスレーブ側のカメラの位置をどのように制御すべきかについて検討した. この結果は,将来微細作業用可変スケール型バイラテラルテレオペレーションシステムの構築の際の重要な指針になると考える. またこれと並行して,任意の反発係数の衝突を忠実に模擬できる新しいハプティックデバイスの機構を提案し,実際に装置を試作してその有効性を実験的に確認した.この種のデバイスは,テレオペレーションによる医療手術や医療手術トレーニングにも有用となろう.
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