配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
|
研究概要 |
本研究では,超高効率発電システム開発のロードマップに整合する性能を有する「高等エントロピー効率(低損失)発電機」の開発を目指し,その発電機が備えるべき要件を実験的に明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために,本研究では,(1)発電機形状の最適化(流体力学的散逸の低減),(2)強磁界印加による性能向上(電気的散逸の低減),(3)高周波電磁界印加によるプラズマ制御(プラズマ不安定性の抑制),(4)数値シミュレーションによる性能評価とその実験へのフィードバックを有機的に組み合わせることにより,総合的に損失の低減化を試みた。 初年度(平成16年度)は,与えられた発電機形状に対して「エンタルピー抽出率に対する等エントロピー効率の割合」が得られることを確認するとともに,高磁束密度利用によるMHD発電機の効率(電気変換効率)の向上を示唆する結果を得ることができた。 次年度(平成17年度)は,さらに高い等エントロピー効率の実現を目指した発電機を新たに設計・製作し,超電導電磁石を有する衝撃波管駆動装置に組み込み,実験を行った。その結果,高効率化ロードマップに完全に則した「エンタルピー抽出率に対する等エントロピー効率の割合」の実証が確実に可能であることを明らかにした。 最終年度(平成18年度)は,これまでの成果の更なる高度化を推進し,高周波電磁界の印加によるプラズマの更なる制御を図り,プラズマ安定化・ジュール散逸の低減に向けての指針を実験的に明確にするとともに,強磁界下で高周波電磁界の印加による入口プラズマ条件の改善とプラズマの安定化を試み,それらの相乗効果による発電効率の更なる向上を実験的に実証した。さらに数値シミュレーションにより,本実験結果の妥当性の評価,理論的裏付け,運転条件等に対する示唆,また更なる高効率化へ向けての提言を行った。 以上要するに,本研究は3年間の研究期間を通して計画通りに遂行され,本研究成果は,当研究開発分野の発展に大きく貢献するものと考えられる。
|