研究課題/領域番号 |
16360139
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩熊 成卓 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 助教授 (30176531)
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研究分担者 |
柁川 一弘 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 助教授 (10294894)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2004年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 超伝導マグネット / 酸化物超伝導 / 伝導冷却 / Bi2223 / 熱暴走 / 冷凍機 / クエンチ / 交流損失 / 酸化物超伝導体 |
研究概要 |
本研究は、酸化物超伝導マグネットシステムの冷却として無冷媒の伝導冷却方式に注目し、従来の液体ヘリウムの冷却特性に基づく安定性理論、およびエネルギー回収条件に代表される超伝導マグネットのクエンチ保護理論等で構成されるマグネット設計指針から脱却して、酸化物超伝導線材を20K以上の温度領域で伝導冷却超伝導マグネットとして用いる場合の設計指針を導体構成法にまで踏み込んで学術的に構築することを目的とした。まず、試作した伝導冷却Bi2223-1T超伝導コイルを用いて、その電磁的、熱的特性を実測し、直流・交流運転時の超伝導コイルの発熱量と冷凍機冷却能力の相対関係に基づく熱暴走等、伝導冷却コイルシステムとしての挙動を実験的に明らかにした。注目すべきは、伝導冷却酸化物超伝導コイルの熱暴走は、コイル全体の発熱と冷凍機の冷却能力のバランスで決まるのではなく、局所的な磁束フローによる発熱と熱伝導による冷却のバランスで決まるということである。次に、伝導冷却超伝導コイルにおける普遍的概念の抽出を念頭において、巻線に用いた超伝導線材の電流-電圧特性および交流損失の測定結果および個々の巻線構成部品の熱伝導率データを基に、異方性を持つ巻線の発熱分布とコイル内平均熱伝導率の温度依存性を数式化し、コイルの熱・電磁特性の数値解析手法の確立に取り組んだ。その結果、直流、交流運転時ともに、局所的な温度分布まで含めた伝導冷却コイルシステムの挙動が数値解析により定量的に模擬可能であることを確認し、熱暴走現象の温度、通電電流依存性等の定量的議論を可能にした。さらに、開発した数値シュミレーションコードを用いて、コイルの寸法および熱的・電磁気的パラメータを振って、普遍的伝導冷却超伝導コイルの熱暴走現象のさらなる解明を行い、従来の浸漬冷却金属系超伝導マグネットの挙動の相違点を明確にしつつ伝導冷却酸化物超伝導マグネットの設計指針を明らかにした。
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