配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
試料としては引き続き,電気学会調査専門委員会で用意した8種類の協同試験試料を用いた。他機関での各種研究結果との比較により,本提案手法の多面的な検討を可能とした。 試料の劣化と回復現象を模擬するため,試料は5℃,室温および50℃の蒸留水中で水浸させ,その後,同温度の大気中で乾燥させた。水浸状態と乾燥状態は,試料重量を精密秤で計測し評価した。各試料の識別が可能な計測系を開発すれば,試料の劣化診断が可能となると考えた。今年度の研究成果を以下に示す。 申請者が従来構築してきた動画像解析と誘電計測を併用した高分子材料の表面状態評価技術を用いて,高分子材料の初期劣化過程を,その表面深さ方向への分解能を有する誘電計測により診断するうえで,試料表面温度変化の影響を検討する必要性が示唆された。また,傾斜平板法を用いた水滴の動的挙動の変化を計測する上でも,試料面温度の影響は検討しておくべきと考えられた。今年度新たにサーモグラフィを導入し,試料面の温度変化と撥水性の経時変化との対応が有るか検討した。また,前年度までに導入したレーザ顕微鏡による試料表面のミクロな変化と,誘電計測結果とを比較検討することにより,充填剤界面のミクロな変化が撥水性や誘電特性というマクロな測定結果にどの様に影響するのかを検討した。その結果,STRI法を発展させた撥水画像解析・評価技術と傾斜平板法による撥水性の動画像解析技術,および,深さ方向の分解能を有する高電界誘電特性解析技術とその周波数特性を併用することにより,バルクの効果と表面の効果を分離しつつ,かつ,現地測定も鑑みた劣化診断技術構築への多くの知見を得た。特に,低撥水状態ほど,測定温度の変化が試料の撥水指標同定結果に大きな変化をもたらすことが明らかとなった。これらの詳細は本研究の研究成果報告書にまとめた。
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