研究課題/領域番号 |
16360158
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
畠山 賢一 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80305680)
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研究分担者 |
蔦岡 孝則 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (10231432)
藤本 京平 国際科学振興財団, 専任研究員 (20133035)
山内 健次 University of Hyogo, School of Engineering, Professor (80047597)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | メタマテリアル / 人工材料 / 電波吸収体 / 電磁遮へい材 / レドーム / 異方性 / 電磁波吸収 / 電磁遮蔽 / 共鳴分散 |
研究概要 |
金属線配列シートの等価誘電率はマイクロ波帯で共鳴分散を生じ、共鳴周波数以上では誘電率実数部は負になることを利用した電波吸収体や遮へい材の設計について検討した。さらに、磁性複合材のマイクロ波帯の材料定数について検討し、透磁率が数GHz付近で殆ど0、あるいは負になる可能性があることを実験的に確認した。 金属線配列シートにおける誘電率の共鳴分散は、基本的には金属線がほぼ半波長になる周波数で共鳴を生じることによる。この性質を積極的に利用して特徴的な吸収・遮へい材を設計するのが目的である。共鳴周波数付近では誘電率虚数部、すなわち損失項も増えるのでこのシートは通常のデバイス材としては適さない。しかし、ここで検討しているシートを通常の電波吸収体に積層すると、その入力インピーダンスの周波数変化を抑制するように作用させることができ、広帯域設計が可能となる。このことを幾つかの事例により実験的に確認した。さらに、遮蔽特性についても検討し、特に金属線配列シートの多層構成では周波数選択形の遮へいシートが可能となることを実験的、理論的に確認した。この遮へい材はレドーム材としての応用が期待される。 金属繊維配列シートでは、金属線間隔が半波長以上になると(この状態は多くは共鳴周波数よりも高周波で生じる)グレーティングローブによる散乱が生じることを確認した。これが生じると、例えば垂直入射であっても反射波は入射方向だけではなく、金属線配列間隔と波長とで定まる特定の方向にも進行する。この現象は、反射・透過から等価的な誘電率を算定するのが出来なくなることや、吸収特性の評価が困難になる等の問題点を生じる。前者は金属線に誘導される電流から分極を直接求める手法で解決できる見通しが得られたが、後者については更に検討が必要である。 メタマテリアルとしては誘電率に加えて透磁率の調整が出来ればさらに応用が広がり、デバイス設計の自由度も増す。本テーマでは磁性複合材の高周波特性を検討した。実用を考慮してバイアス磁界がない状態で検討した。金属磁性材、酸化物磁性材ともに複合材にすれば主に1GHz以上において透磁率実数部が殆ど0、あるいは負の値になることを実験的に確認した。現状では透磁率は負の値になってもその絶対値は大きくはない。しかし、磁性複合材は均一媒質であること、金属線配列材シートと積層すれば負の位相定数が得られる可能性がある等の特徴がある。今後これらに関する検討を引き続き行う予定である。
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