研究課題
基盤研究(B)
本研究課題は、マイクロ波の特性を活かして、土壌の含水率および土壌に含有する塩分等のイオン濃度を同一の測定器を用いて同時に計測できる新しい測定方法の探究および装置の開発を目的としたものであり、当初の研究計画を研究期間内にほぼ達成することができた。初年度(平成16年度)は上記センサの実現に向けて、1.土壌の含水率および密度変化に対するマイクロ波特性(減衰・伝搬速度(位相))2.土壌測定に適したマイクロストリップ線路型測定系の検討3.土壌の密度および測定長に影響されない測定法の確立4.測定に最適な周波数の選定の基礎データを汎用のマイクロ波ベクトルネットワークアナライザを用いて収集した。この結果を基に平成17年度は、将来センサとして使用する際の問題点を把握するための試作基板を、個別マイクロ波デバイス・汎用電子デバイスを組み合わせて製作した。全ての部品を入手できなかったことにより、既存の測定器を併用したこと、周波数の異なるマイクロ波回路を同一基板上に組み込むまでに至らなかったことこと等の未解決な課題はあるが、高価なアナライザを使用した場合と同様な測定結果が得られることが確認でき、汎用性のある水分およびイオン濃度センサ実現の可能性が見いだされた。今回の試作で、含水率測定に関しては十分精度の高い計測ができた。イオン(塩分)濃度に関しては、測定はできるが、農場における水資源の節約、塩化の防止に本センサを活用するためには、測定精度を更に高めることが必要であることが分かった。試作センサの基本仕様は、以下のとおり。構造:マイクロストリップ線路を用いた準透過型周波数および電力:2.6GHz、8GHz、各約10mW検出精度:含水率±1.6%、塩分濃度:±0.6%詳細は、電子情報通信学会論文誌、ドイツで開催の国際会議ISEMA 2005で世界に向けて公表した。
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Proceedings of Sixth International Conference on Electromagnetic Wave Interaction with Water and Moist Substances ISEMA 2005
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電子情報通信学会 論文誌C J88・12
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Institute of Electronics, Information and Communication Engineers, Electronics Society Vol.J88-C, No.12
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Proceedings ISEMA 2005 6^<th> International Conference on Electromagnetic Wave Interaction with Water and Moist Substances ISMA 2005 Proceedings(発表予定)
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電子情報通信学会エレクトロニクス ソサイアティ大会論文集 C-2-108