配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2006年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2005年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2004年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
本研究では,マウス海馬内で局所的に活性化する酵素を,従来の脳機能イメージング技術よりも高い時間・空間分解能で蛍光イメージング可能な埋込み型CMOSイメージセンサデバイス,及びin vivo蛍光イメージング技術の開発を行った.目標とする時間・空間分解能は,神経細胞ネットワークをイメージング可能な数百ms,数百μmである.試作したCMOSイメージセンサは蛍光計測用画素に7.5μm角のAPS方式画素回路を採用し,最大13.5fpsで動作可能であるため,目的の時間・空間分解能を満たして蛍光イメージングすることができる. 試作したCMOSイメージセンサをマウス海馬内に埋植し,in vivo蛍光イメージングの実現に必要なイメージセンサデバイスの実装を行った.デバイスには蛍光検出機能に加え,防水機能,海馬内への励起光導入系と薬剤投与機能,センサで検出する励起光の抑制機構,生体組織に低侵襲な薄型,小型実装が要求される.デバイスはエポキシ樹脂で包埋し,防水加工を行った.励起光源にはInGaN系LEDチップ(波長365nm)を採用し,イメージセンサ両脇に接して搭載することで,海馬組織への励起光導入と蛍光計測を一つのデバイスで実現した.またセンサ上に薬剤投与管を取り付けて海馬内へ薬剤投与を行い,ブルーフィルタをセンサ上に塗布することで励起光の検出を軽減した.試作したイメージセンサデバイスをマウス海馬内に埋植し,in vivo蛍光イメージング実験を行った.その結果,記憶や学習の基礎過程であると考えられているLTP誘導に伴うセリンプロテアーゼの活性をAMCの蛍光としてイメージングすることに初めて成功した.したがって,試作した埋込み型CMOSイメージセンサが生体内で分子の動態を蛍光として可視化できるツールとして有効なデバイスであることを実証した. 本研究で試作した埋込み型CMOSイメージセンサの課題を解決するため,新たな高機能イメージセンサの設計,試作を行った.DRIEを用いてセンサを加工し,センサ裏面から表面側へ励起光放射が可能な開口と,生体組織に与える侵襲をより軽減するために曲線状のセンサ外形を実現した.さらに開口を形成したセンサ裏面にLEDチップをフリップチップ実装により搭載したセンサモジュールの試作を行い,脳ファントム内で10μMまで低濃度のAMCを蛍光検出可能であることを確認した.
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