配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
光符号分割多重(Optical Code Division Multiplexing ; OCDM)方式は,送信側と受信側で固有の符号を用いることで複数の信号を同一波長帯で多重する方式である。これにより信号帯域をより効率よく分割することができ,通信セキュリティを高めることができる。さらに,光時間分割多重方式や波長分割多重方式と比較して,複雑かつ柔軟な通信ネットワークの構築が可能な方式であると考えられる。光符号分割多重方式として,すぐれた相関特性が得られることや、符号数が多く取れることから位相符号方式が有効と考えられる。 本研究では100以上の符号数が可能な光符号伝送方式として位相符号器にSuper Structured Fiber Bragg Grating (SSFBG)を用いたOCDM伝送系に関する検討を行った。位相符号方式を用いることで、チップ数に対応した符号数が実現可能となる。そこで、127チップのSSFBG符号器の試作を行った。その結果、ほぼ理論どおりの相関特性を実現することができた。さらに、光源波長とSSFBG反射中心波長との差が伝送特性に与える影響については,光源波長の精度は1nmで,現在の伝送系で代表的な高密度波長分割多重に比べて約十倍の波長許容度があることがわかった。 しかしながら位相符号方式では,多重数を増加させると,拡散符号間の相互相関に起因して生じる多元接続干渉だけでなく同一波長の光信号を合波することで発生する光ビート雑音によりビット誤り率特性が劣化する。 そこで、OCDM伝送系におけるMAIと光ビート雑音の影響を減少させることが可能な直交符号パターンを、シミュレーションにより解析的に求めた。さらに、光領域で逆拡散されて受光した信号には他のコードで拡散された大きな信号が雑音として存在している。この雑音信号はディジタル信号に変換する前に極力少なくしておくことが望ましい。そこで、光ゲートを用いた雑音除去を行った。これにより、最小受信レベルを6dB向上させることを実験確認した。 実際にSuper Structured Fiber Bragg Grating (SSFBG)を用いたを用いて位相符号・器を試作し、100Mbpsで100多重以上の多重が可能となることを検証した。また、多重度は、ビットレートに依存し、1.25G bpsで10多重、625Mbpsで16多重以上まで、BER=10^<-11>の誤り率を確保できることを実験的に確認した。
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