配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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研究概要 |
制御システムの高機能化,高性能化に伴い,制御システムに対する設計論が従来の安定性や性能向上の追求からセンサやアクチュエータ等,システム要素の故障に対しても適応可能となるような信頼性の向上,さらには人間との親和性の向上を目指した設計論へと変化しつつある。これを踏まえ,本研究では,1.確率的情報処理による故障検出・診断,2.大規模系に対する分散型故障診断,3.ハイブリッド動的システムモデルに基づく人間行動の解析,に取り組んだ。具体的に,1では隠れマルコフモデル(HMM)の各離散状態に連続ダイナミクスを割り当てた新たな数理モデルを提案し,それに基づいた故障診断手法を提案した。また,プロダクションルールに生起確率を割り当てた,確率的プロダクションルールを提案し,マニピュレータの故障検出に応用した。さらには,時間付マルコフモデルに基づいた事象駆動型システムの故障診断法を提案し,自動搬送ラインのプロトタイプを対象とした実験によりその有用性を確認した。2では,ベイジアンネットワークを用いて,各サブシステム間の故障と観測信号間の関係をモデル化し,各サブシステムでの故障診断結果を用いて全体の故障診断を行うことが可能となるアルゴリズムを新たに考案した。そして,提案した手法の有用性を自動搬送ラインのプロトタイプを対象とした実験によりその有用性を確認した。3では,離散モードの遷移が確定的な場合と確率的な場合とに分けて考え,それぞれ,データクラスタリングによるアプローチとHMMに連続ダイナミクスを埋め込んだモデルによるアプローチを提案した。また,提案手法を自動車の運転行動や作業スキルの解析に応用し,その有用性を確認した。これらの成果は学術雑誌上で公開済みまたは,公開予定である。
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