研究概要 |
サポートベクトルマシン(SVM)をベースにした知識独得とシステム構築法の研究に対して次の成果を得た. 1.静的環境下でのデータマイニングによる知識獲得とシステム構築法の開発 (1)大規模データを領域分割してSVMで高速にかつ高精度にクラスタリングする方法,SVMの集合体により特徴選択を行う方式を開発し,ベンチマークデータで有効性を検証した. (2)静的環境の仮定のもとで,サポートベクトルの候補のみを残して追加学習するSVMのモデルを開発し,ベンチマークデータで有効性を検証した. 2.動的環境下でのデータマイニング手法による知識独得とシステム構築法の開発 (1)動的な特徴空間構成法:追加学習可能な主成分分析(PCA)およびカーネル主成分分析(KPCA)を開発し,ベンチマークデータを用いて,データ分布の変動に追従しながら特徴量選択を行えることを検証した. (2)システム構築法:開発した動的な特徴空間構築法にk近傍法+動的クラスタリングアルゴリズムおよびニューラルネットを組み合わせることで,動的な特徴量選択に追従しながらクラシファイアの追加学習が可能であることを検証した.また,ベンチマークデータだけでなく,顔画像認識にも適用し,その有効性を検証した.但し,当初の目的であった追加学習型SVMへの組み込みは完成に至らず,今後も継続して開発していく予定である. 3.データマイニング手法を用いた画像の領域分割システムの開発 (1)画像の領域分割に適したクラスタリング手法の開発:形状が不確定な物体を撮影した画像から物体領域を抽出・分類するための基盤システムを作成し,たんぱく質結晶画像データベースを用いた結晶領域の検出・判別実験によりその有効性を検証した. (2)画像の領域分割に適した特徴量抽出手法の開発:推移不変ウェーブレット変換を用いた多重スペクトルヒストグラムの構成法を提案し,画像の多重スペクトルヒストグラム特徴をもとにした類似画像検索実験を行い,特徴量として領域分割への応用の可能性を検証した.
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