研究課題/領域番号 |
16360202
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤巻 朗 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20183931)
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研究分担者 |
井上 真澄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00203258)
赤池 宏之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20273287)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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キーワード | アナログ・デジタル変換器 / 単一磁束量子回路 / ジョセフソン接合 / 超伝導 / A / D変換器 |
研究概要 |
電流計測システムの基本となるのは、電流入力のアナログ-デジタル変換器(ADC)である。本研究では、単一磁束量子(SFQ)回路をもとにしたADCの高度化(高信号雑音比(SNR)、高感度化)を図ったほか、それをシステムに応用する研究を進めてきた。平成16年度に提案した相補型ADCは、SFQ回路の特徴である高速性、磁束量子と言う物理基本単位による負帰還を利用していることから、半導体回路では実現し得ない高精度性を広帯域で得ることができる。平成16年度までに、相補型ADCの動作実証を済ませ、9ビットのSNRを得ることに成功した。目標SNRは14ビットであるが、これはADC内部バックエンド部に置かれている間引きフィルタに1次フィルタを用いたためで、数値解析によると、ここに2次の間引きフィルタを採用し、さらに高速動作させれば、目標達成は可能である。なお、すでに2次間引きフィルタは実証ずみである。 平成17年度は、具体的システムを想定しその要求仕様に合わせたADCを開発、さらに実システムへの実装に重点を置いた。対象としたシステムは超伝導トンネル接合X線検出器(STJ)である。STJ自身は、高エネルギー分解能を有する検出器として知られており、現在は多チャンネル化が研究対象となっている。本研究でのADCはこのSTJの出力をデジタル化し、デジタル領域での多チャンネル化の基盤技術を目指した。ADCに関しては、要求される数十nAの電流感度・分解能を実現するために、入力部の磁気結合入力部を改善した。実システムにおいては、STJの動作に求められる10mT程度の直流磁場や、熱流入抑制のためのケーブル帯域の制限など、SFQ回路の動作に対する障害要因が多かった。これらに対し種々の改善を試み、これまでにSNRにおいて数値解析からの劣化を1ビット程度までに抑えることに成功し、実システムへの応用の第一歩を築いた。
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