配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
研究概要 |
本研究では,従来破壊力学における有限要素法では,亀裂は要素辺上に設定されていたが,それでは亀裂の進展方向が要素辺の方向に限定されてしまうため任意方向に折れ曲がる亀裂の進展解析は不可能であった.そこで本研究では,亀裂を要素辺でなく要素内に任意方向進展可能な,弾塑性体にも有効な拡張有限要素法(X-FEM)手法を新たに提案した.また本論文の解析目的である地滑り現象などの土木材料の破壊現象のひとつである地盤内の滑り面は,圧縮荷重下で生じるため,亀裂面上に摩擦力が発生する亀裂進展現象となる.ところがX-FEMでは,節点外力が陽な形で求まらないため,汎用されている節点外力による摩擦の判定は不可能となる.そこで,地盤をDrucker-Prager弾塑性体と仮定し,亀裂面に発生する摩擦力にはクーロン摩擦を模擬した弾完全塑性体モデルを採用した新たな拡張有限要素法を開発した.種々の本解析結果を理論および従来の有限要素法解析による結果と比較検討し,本X-FEMの解析手法は,物体が弾塑性体の場合でも非常に精度の良いものであることが確認できた.物体が弾塑性体の場合への拡張有限要素法への応用は,世界でも初めてのことでもあり,特に,亀裂面上に発生する摩擦問題と物体の弾塑性問題が全く同一な陰解法リターンマップ手法による弾塑性解析を行なったことによるアルゴリズムの整合性および計算時間が早く精度の良い,本X-FEM解析手法は非常に独創的かつ画期的なものとなった.
|