配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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研究概要 |
地盤材料の変形の局所化問題、すなわちせん断帯やすべり面の発生問題などは,破壊の前兆現象として工学的に重要であり、過去30年以上にわたり多くの研究がなされてきた.一方、圧縮変形の局所化すなわち圧縮帯の形成は海底プラットフォームの大沈下などの現象から近年注目され,90年代から多孔質の砂岩や土で実験的な報告がなされてきている。圧縮帯の形成は,透水係数の減少や地盤の大沈下問題に関連し工学的に重要である.本研究では,ジオマテリアルの変形の局所化のメカニズムを明らかにするため,粘土や軟岩について解析的及び実験的研究を行ってきた。実験的研究は特に軟岩を中心に行い,地盤材料の圧縮帯を中心とした変形の局所化の解明を行った.粘土については、構造の劣化しやすい鋭敏な粘土では圧縮の局所化が発生することを数値解析によって明らかにした。実験的研究については、珪藻泥岩や戸室石など圧縮性に富む軟岩において,圧縮帯の形成を明らかにするとともに,その解析法についての提案を行った.本研究では,三軸圧縮条件下における多孔質軟岩の圧縮帯生成とその生成条件の解明を目的とし,多孔質凝灰岩の戸室石と多孔質堆積泥岩の珪藻泥岩を用いて種々の応力径路の排水三軸圧縮試験を行った.三軸試験中に角柱供試体の隣り合う2側面を定点撮影し,PIVにより画像処理および画像解析を行うことで,供試体側面のひずみの局所化挙動を定性,定量的に調べた.また,試験後の供試体を含水状態が変化しないように保存し,産業用X線CTスキャナ装置を用いて供試体内部の密度変化を調べるとともにSEM(走査電子顕微鏡)を用いて供試体の変形局所帯部における微細構造の変化を詳細に観察した.高圧三軸試験装置は高圧用スチール製セルを用いているため,セル外からの供試体撮影が不可能であり,画像処理節に示すように至近距離からの観察しか出来ない.円柱供試体の場合に多く用いられるstereopbotogrammetryはある程度の距離確保が必要であるため,本研究では至近距離からの観察が可能である平面(角柱)の方が有利であると考え,角柱供試体を採用した.数値解析では、弾粘塑性モデルを開発し有限変形に基づくFEM数値シミュレーション法を確立し、解析を行った。
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