研究課題
基盤研究(B)
2ヶ年にわたる研究実績は下記の通りである。(1)旧5号館の集中調査を平成16年8月18日から10月30日まで行い,500本を超えるコア試験体の採取、2つの梁採取、建物全域にわたるはつり及びそれに伴う中性化深さ及び配筋、鉄筋腐食の観察を行った。その際、20団体100名を超える調査関連研究者により、旧5号館を使い、開発途中のものも含め各種非・微破壊試験を実施し、破壊試験との結果との比較等により試験方法を検証した。更に、これらの結果に関連して、実験室実験で非破壊試験・微破壊試験による測定値と各種コンクリートの品質との関係づけを行った。(2)採取したコアについて、処理・分析して、強度や調合(単位セメント、単位水量、水セメント比)、耐久性(細孔構造、中性化抵抗性、塩化物イオン量、凍結融解抵抗性)を評価するとともに、観察した劣化との対応を図った。また、外壁から採取した生物を培養分析し、同定した。(3)解体時のコア・ハツリなどの作業の程度に対応して数度にわたり測定した常時微動に基づき、旧5号館の振動モードの同定を行い考察した。荷物移動による重量軽減の効果が大きく、コア・ハツリの作業の影響が表れていない。今後の研究方法・調査方法への提言とした(4)解体時に採取した梁2本について、曲げ試験を行い、破壊モード等から実構造物における構造耐力の現状を考察した。付着破壊による破壊モードとなり、現場施工の部材の構造の実体を浮き彫りにした。(5)新5号館の品質を調査するとともに、材料試験として、新5号館竣工にあわせた、使用セメント、水セメント比、乾燥開始材齢の異なる暴露試験を開始した。なお、遠距離地域における暴露試験に対応するため、遠隔操作及びデータ送受信システムの構築についても研究した。
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第59回セメント技術大会講演要旨 (印刷中)(5月発表予定)
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