研究課題/領域番号 |
16360283
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
岩田 衛 神奈川大学, 工学部, 教授 (50322532)
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研究分担者 |
竹内 徹 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (80361757)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | ファサードエンジニアリング / 環境負荷 / 構造要素 / 都市景観 / 座屈拘束ブレース / 構造実験 / 性能評価 |
研究概要 |
建物の外壁面を構成するファサードは都市景観を形成する重要な要素の一つであると共に、建物内部を外的環境から保護し、建築物の消費エネルギー効率に影響を与える要素である。既存建物の改修に当たっては、ファサードを適切なものに交換することで、建物外観を一新すると共に建物のエネルギー負荷を低減することが可能となる。そこで、意匠・構造・環境面を通して設計された「統合ファサード」の具体例を設定し、都市景観を考慮した「デザイン軸」,防災・耐震を考慮した「シェルター機能軸」,環境・エネルギー考慮の「環境軸」に沿った性能評価を試みた。検討対象として実在の既存建物を設定し、改修および新築で構成することを想定した制振ブレースとルーバー、ガラスを組み合わせたファサードを設定し、エネルギー吸収機能、熱環境、外観デザインの定量的な評価を行い、以下の知見を得た。1)構造面では、RC架構の耐震補強構法としての分離型ファサード、新築鉄骨造を想定した一体型ファサード共に、再現期間数百年のレベル2地震動に耐える良好な耐震性能を確保することができる。2)環境面では、欧米型のガラスのダブルスキンは換気を伴わない場合、夏期の温度上昇が著しく、熱付加の増大が予想される。これに対し、ルーバーとガラスを組み合わせた外壁は、分離型、一体型共に夏期、冬期の双方に対し良好な熱環境改善効果を示す。3)ルーバーとガラスを組み合わせた耐震補強構法としての分離型統合ファサードは、一般的に使用されている他の耐震補強構法と比較して、高いデザイン評価を得た。 次に、新たなファサードモデルとしてフレームの外側に座屈拘束ブレース(以下ブレース)を斜行に連続して設置させ、ブレースが補強要素だけでなくルーバーの機能を兼ね備えた一体型のモデルを提案し、構造的側面から耐力確認実験を行い、次の知見を得た。1)層間変形角1/100相当の変形を与えても急激な耐力低下が見られず、安定した履歴特性を有することが確認できた。2)提案したファサードモデルは座屈拘束ブレースがエネルギーを吸収するため主架構に与える損傷の影響が少ない。3)このモデルの構造性能が確認できたことにより、さらに新たなデザイン性を持つファサードを提案することができる。
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